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借家人の死亡で借家権はどうなるの?

2014年12月30日「火曜日」更新の日記

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借家権(終身借家権を除く)も、借家人の死亡によって相続され、当然に借家権を承継しているので家主の承諾は不要です。もちろん、名義書換料も不要です。しかし相続人がいない場合、内縁の妻には民法上の相続権は認められないので、借家権を相続することはできません。しかし借地借家法は、居住用建物の賃借人が相続人なくして死亡した場合、内縁の妻については死亡した賃借人の権利義務を承継する旨を規定しています。ですから、相続人がいない場合に内縁の妻が家主からの立退請求を受けることはありません。もちろん、借家権を承継したくない場合には、借家人の死亡を知ったときから1カ月以内に内縁の妻が家主に通知すれば、承継しません。一方、相続人がいる場合は設問のように、相続人がいれば借家人の死亡によって相続人が借家権を相続し、内縁の妻に承継を認める借地借家法の適用はありません。家主から内縁の妻に対する明渡請求には、内縁の妻は相続人の借家権を援用することによって、その建物での居住の継続を主張し得る(いわゆる援用理論)と判例上も認められています。ただし、相続人は内縁の妻に対して、借家権に基づいて明渡しを請求することが理論上は可能です。また、相続人の賃料不払いによって借家契約が解除され、内縁の妻は家主から明渡しを求められる可能性もあります。つまり援用理論よっても、なお内縁の妻の居住の確保は借家人の相続人の態度にかかわるわけです。

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