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借りたいとあせる気持ちを戒める

2016年3月28日「月曜日」更新の日記

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住むところは生活のよりどころですから、それが決まらないことには何ごともはじまらないと、あせる気持ちはよくわかります。しかし、なにごともあせりは禁物です。まして、部屋を借りるときは、かなりのお金がかかります。実際に住んでから不都合が生じたとしてもおいそれと移るわけにはいきません。そしてあせっていることが、不動産屋や貸主に足元を見られる原因にもなります。不動産屋へ行くまえに、まず知っておいたほうがいいことは、不動産屋の表にはってある情報はほとんどが。撒き餠”だということです。良さそうな物件が並んでいますが、それはほとんどないと思っていいでしょう。また、賃貸ニュースなどに掲載されている物件も実際にはない場合が多いのです。この場合には、物件は生き物のようなもので、本が出るまでに併り主が決まってしまうこともありますから、仕方がないかもしれません。ともかく、探しに行って、表の貼り紙の物件はないということになれば、ほかのものを紹介してもらうしかありません。しかし、契約はあくまで慎重に、そして、不動産屋だけで、五軒や十軒は歩く覚悟をしたほうがいいと思います。一軒の不動産屋で見せてくれるのが大体二軒か三軒ですからそこで決めてしまうのは早計というものです。自分が住みたいと思っている地域の周辺の地元密着型の不動産屋に当たって十軒以上見れば、一つや二つは気に入ったものにぶちあたります。「これはどの物件はそうはありませんよ」「いま決めないと、明日はほかの人に決まってしまうかもしれませんよ」と、こちらのあせる気持ちをさらにあおるようなことを言われてすぐにあせってうっかり契約をしてしまうのは禁物です。あとで、匕つは相場よりかなり高い家賃だったと気づいても遅いのです。家賃をもとにして、敷金その他の費用も決まってくるのですから、たとえ五千円の違いでもバカにはならないのです。もちろん、家探しは縁談のようなもので、逃がした魚は大きいということもあります。あのとき決めておけばよかったと後悔することもあるかもしれません。しかし、あせっておかしなものをつかませられる可能性のほうがより大きいのですから、やはり慎重に構えるほうがいいと思います。逃がした魚の大きさは考えないことです。あせる気持ちを抑えて、自分にとってゆずれないという条件をきちんと頭に置いてから不動産屋の扉をたたくことかだいじだと思います。家族のある人、子どもの年齢、年寄りがいるかどうか、男のひとり暮らし、独身女性の場合などなどによって条件は違ってくるはずです。まず地域の環境を考えます。子どもがいれば、地域によって学校の環境も違います。その場合文教地区かどうかということもポイントになるでしょう。同居する家族がいる場合は、なるべく家族といっしょに見にいったほうがいいと思います。独身女性だったら、一階とか二階は避けたほうがいいでしょう。洗濯物が盗まれたり、賊が侵入したりする可能性もあるからです。ですからできるだけ上の階が安全です。そして、最寄りの駅からの距離や道筋の明るさなども配慮しなければなりません。さらに、昼間ですとそれらのことがわかりませんから、かならず夜に行ってみることもだいじです。昼間は何ともなかった公園の前の道が夜はぞっとするほど怖かったということもあります。交番やコンビニのありかもしっかりとチェックしておきましょう。いざというときの避難場所になるからです。そして、あらかじめ自分の出した条件と照合して、どうしてもゆずれない線と一致しなかったらやめたほうがいいと思います。何力月分かの給料分にも匹敵する高い買い物ですから、最低一ヵ月ぐらいの余裕は見てほしいものです。そして、十軒から二十軒ぐらいは見てまわるつもりでかかったほうがいいのではないでしょうか。あせらずに住みかを探すことは、解約時のトラブルが起きないようにするための基本です。とにかく、いまのところを出なければならない、次に早く移りたいという気持ちでいると、契約もいい加減になって、不動産屋のいいなりにハンコを押してしまうことになるからです。契約書はきちんと見て、ここはこういう風に明記してもらいたいと言わなければいけません。そのために、契約書の末尾には特約条項という欄があるのです。この特記条項も、よく注意をしなければなりません。記載されていることをよく見て、わからないことは聞いて理解をすることがたいせつです。

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