住宅数を増やす政策
2016年4月5日「火曜日」更新の日記
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- 驚いたことに、住宅不足がとっくに解消していたバブル崩壊後の二〇〇〇年度まで、住宅数を増やす政策は続いていたのです。いまでは全国の世帯数は四千七百二十二万ですが、住宅戸数は五千三百八十七万戸もあります。空き家率は12.2％にも達しています。「そんなにあるのなら、もう建てなくていい。古い家を修理して使えばいい」と考える人も、多いのではないでしょうか。ところが、ここに大きな落とし穴があります。それが、地震対策です。日本の住宅を考えるとき、地震は絶対に避けて通れません。五千三百八十七万の住宅戸数のうち、千百五十万戸は一九八一年の建築基準法・新耐震基準以前に建築確認をとった、「新耐震未満」と呼ばれる、地震に対して不安が大きい住宅です。地震に耐えるのに必要な耐震構造になっておらず、建て替えが必要だと考えられる住宅の数が、日本の住宅総数の二割以上に達しているうえ、空き家率も高いわけです。地震の際に、こうした家が崩れることも恐怖ですし、別の恐怖もあります。崩れた家から火が回ることです。ことに都市部の古い家、狭小な家は、密集して建てられていることが多く、大火災となり燃え広がって、都市災害に発展していくことが恐れられています。何とか、この千百五十万戸を地震に強い、良質な家に替えていこう。そして日本の住宅全体の長寿命化を図っていこう。中古市場を整備しよう。そうしたら古い家も流通しやすくなり、価値がきちんと評価されるようになる。バリアフリーと省エネも推進しよう……。そんな具合に、ようやく国の政策にも大きな転換がみられるようになりました。
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