工務店
2017年12月29日「金曜日」更新の日記
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- エ務店と聞いて、どのような企業をイメージされるでしょうか。昔ながらの大工さんが、ゴツゴツと家を建てていく、そういったイメージでしょうか。 中には今でもそういうスタイルで仕事をしている会社もありますが、現在、工務店と呼ばれる会社の大半は、ゼネコンに近いスタイルを収っています。つまり、施主の要望を聞いてプランをまとめ、それを元に見積り書をつくり、契約したら下請けの業者を使いながら工事を進めていくというスタイルです。 しかし、工務店にはゼネコンや住宅メーカーと大きく違う点があります。 それは、多くの工務店は、地元に根ざして仕事をしているという点です。ですから、計画地の環境や地盤の状況などもよく知っていて、最初から適切なアドバイスを受けられます。また、会社が近いので、何かあればすぐに相談できますし、電球の取替えでもすぐに飛んできてくれるものです。そういったつきあいの中から評価を得て、ロコミで次の仕事につなげていくのが工務店の一般的なスタイルです。工務店の本当のメリットは、建ててからのアフターフォローで実感できるのかもしれません。 一方で、工務店にも弱点があります。住宅メーカーに対抗するために、資材の共同購入や木材のプレカットによるプレファブ化などを積極的に進めてはいるのですが、なにぶん受注量には限界があります。また、基本的に木造軸組工法を採用しているので、他社との違いをアピールしにくいというジレンマがあります。 このため、どうしても経験がない提案には消極的になり、設計上の競争力も高いとは言えません。このような情報量の不足やデータの偏りは、間取りの作り方、使用する建材の種類、設備機器のバリエーションなどに顕著に現れます。工務店に頼む場合は、施主の側からいろいろな提案をし、自ら資料を取り寄せて検討させるなど、主導権をもって臨む姿勢が大切です。 住宅メーカーと比較した場合、工務店のメリットの一つに見積り書の丁寧さを挙げることができます。工務店の見積り書は、建材や工事の種類ごとに細かく記載されていて、素人にはなかなかわかりにくいのですが、実はこの細かさが後でとても役に立ってきます。 工事の過程では、変更工事や追加工事が必ず発生しますので、その都度、業者は増減見積り書を提出してきます。一般に、住宅メーカーの場合は、大きな工事区分ごとに見積り金額をまとめて算出していますので、変更部分の詳しい内訳がわからず、正確な比較評価ができません。 一方、工務店の見積りは、詳細に記入されているがゆえに、どこがどう変わったのか一目瞭然なのです。 ただ、双方とも設計施工であることに変わりはありませんので、元の見積り書の内容が適正かどうかについては、第三者の専門家の意見を聞いてみるのもいいでしょう。
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