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太陽光発電とオール電化住宅

2018年1月6日「土曜日」更新の日記

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 高齢化社会への対応と並んで、これからの住まいづくりに欠かせない視点が環境です。温室効果のある炭酸ガスの排出による地球の温暖化や大気汚染など世界的に環境問題が社会の関心を集める中、住宅にも環境にやさしい技術が求められているのです。  住宅性能表示制度で「省エネルギー対策等級」が定められたのもその一環であり、住宅用太陽光発電も政策的なバックアップをてこに急速に普及しています。  太陽光発電の特徴は、何と言ってもクリーンなエネルギーであることです。化石燃料を燃やしたり発電機を回す必要もないので、排気ガスや有害物質を放出する心配がまったくありません。また電気を消費する場所での発電が可能なため、一般住宅への活用がしやすいといった特徴もあります。  日本で住宅への太陽光発電の普及が始まったのは、昭和49年「サンシャイン計画」が発表されてからです。以来、より効率的な太陽電池の開発が進み、1W当たりの機器コストも当初の約3万円から300円へと大幅に下がりました。  平成6年からは、旧通産省の補助金制度がスタート。さらに、その後の電力自由化で太陽光発竃によって余った電力を電力会社に売ることができるシステムが整備されました。今後ますます太陽光発電が普及していくのは間違いなく、発電効率もさらに向上していくと考えられることから導入を検討してみるのもよいでしょう。  そして、この太陽光発電と連動するように注目を集めているのがオール電化住宅です。かつてはランニングコストがかかり、機器自体も高価で効率が悪いといったイメージがありましたが、現在では高効率な機器も開発され、ランニングコストも実用に耐えるレベルまで低下してきています。  オール電化住宅のポイントを大きく分けると、給湯と空調、そして厨房の3つがあります。この3つをそれぞれ電気温水器や電気クッキングヒーター、蓄熱式電気暖房機などで電化することで、よりクリーンで安全な暮らしを実現しようというわけです。特に、高気密仕様の住宅ではオール電化がおすすめです。  高気密住宅の問題点として指摘されるのは、室内の空気汚染や湿気によるダニ、カビの発生です。ところが、石油ファンヒーターやガスを使えば燃焼ガスが室内の空気を汚すことはもちろん、かなりの水蒸気も発生します。これでは機械換気を行っても、完全に室内の空気環境をコントロールすることはできません。  その点、クリーンなエネルギーである電気を活用すれば、有害な燃焼ガスや水蒸気も一切発生しません。室内環境のコントロールは、グッとやりやすくなります。また火を使わないため、火災の危険も非常に少なくなります。  気になるコストですが、設備に関してはガスコンロや瞬間湯沸し器に代わって高価なIHクッキングコンロや電気温水器を設置することで約20万円ほど高くなりますが、一方でガスの配管工事費(約20万円)が不要になります。また電気料金も、深夜電力を活用することで低く抑えることができます。  一般住宅が地域の電力会社と契約すると、通常は「従量電灯契約」になります。これは時間に関係なく使った量によって一kwの単価(約23円)が決まります。これに対してオール電化住宅では、使った時間によって単価が決まる「時間帯別電灯契約」にするほうが有利になります。というのも、「時問帯別電灯契約」では午後11時から午前7時までの夜間の電気代が「従最電灯契約」の約4分の1(昼間の電気代は約3割アップ)になるのです。  そこで、電気温水器や蓄熱式電気暖房機は、安い深夜電力をフルに活用するようにできています。結果、思ったより低いランニングコストでオール電化のクリーンで安全な暮らしを実現できるわけです。  環境に限りなくやさしい太陽光発電とオール電化がセットになった住宅は、間違いなくこれからの住まいづくりの主流になっていくのではないでしょうか。

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