視線を優しくする斜め感覚
2018年2月1日「木曜日」更新の日記
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- 住宅密集地では、隣近所の家の窓同士が向かい合わせになっていたり、2階から隣の1階の室内が丸見えだったりで、プライバシーという点からは、あまりよろしくない状況が結構あるものです。 それでやむなく、目隠しを窓に設置。それでなくても、日当たりや風通しが良くないのにさらに悪くしてしまう。わかっていても、四角い家ではどうにもなりません。しかも、あの目隠しを、みなさんもご存知だと思いますが、家の美観を損ねる以外の何物でもありません。 ところが、八角形住宅の場合、八方向に窓をつくることができます。もしお隣と窓が向かい合わせになるようなら、その位置に窓をつくるのはやめて、すぐ横の斜めの位置に窓をつくればいいわけです。そうすることでプライバシーを守り、おまけに風通しと日当たりを確保できることになります。 隣家に気がねして窓を自由に開けられないのでは、せっかく自由に発想して家を建てても、本末転倒になってしまいます。このプライバシーの問題から、八角形住宅に関心を持たれる方が最近は増えてきているようです。 視線という点で考えれば、八角形住宅には、もうひとつメリットがあります。それは、家の中でのコミュニケーションがスムーズになるということです。 よく外国人は、人と話をするときに相手の目をじっと見つめるといいますが、日本人は外国人ほど直接的に相手を見つめることはしないようです。ところが、四角い家にお客様を迎えると、普通は相手と面と向かって座る形になってしまいます。 ところが八角形住宅では、部屋の中が丸く広がっているために、視線を斜めに相手に向けることがごく自然に可能になります。この視線は、お客様のことだけでなく、家族や友達との間にもちょっと控えめで優しいコミュニケーションを実現してくれます。ちょうど日本人の感覚にあった、心地よい緩やかな視線といっていいでしょう。 外から侵入する視線をカットし、部屋の中の視線を優しくする八角形住宅。心地よい人間関係を保っていける家と言えるのかも知れません。
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