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結露防止の4つの条件

2018年4月5日「木曜日」更新の日記

2018-04-05の日記のIMAGE
 耐震性をもった家を建てるのは当然のことだ。この当然の性能を維持するために、結露防止が必要になってくる。そして、この結露を防ぐために重要なのが、①断熱、②気密、③換気、④暖房計画である。これらの四つがトータルに計算された家づくりをしなければ、結露は防げない。  人問の健康のみならず、建物の長命化のために必要な結露防止。結露はダニ・カビを発生させ、人間の健康に莫大な被害をもたらす。では建物にはどれだけの被害をもたらすのだろうか。  木造住宅の場合は構造を支える柱や土台などの木材を腐らせ、鉄筋コンクリートづくりの場合もコンクリートを劣化させたり、鉄筋をさびさせたりしてしまう。これは、壁内の結露によるものだ。しかも、この被害は10年、いや20年くらいはしないと、そこに住む人にはわからない。確実に被害が進行して拡大していても、壁内という見えない場所で起こっていることだから、どうしても発見が遅れてしまう。  家の老朽化を早め、腐らせ、短命に終わらせてしまう原因は、①結露、②湿気(水蒸気)、③雨水の侵入の3つ。これは、設計者や建築業者にとっては本来常識のはずだ。  では、一般の人はこの点をしっかり認識しているのだろうか。  最近、住宅に関する本がつぎつぎと出版されているが、一般向けにこの結露について説明している本はせいぜい3、4冊。住居についての教育をおこたってきた日本では、一般の人が住宅の勉強をする機会はほとんどない。  大学の建築学科に行ったとしても、結露防止のための水蒸気理論は習わない。この分野は建築物理学のジャンルに属し、専門の大学ですら教えていないという。空調学会や空調関連の一部の技術者が知っている程度という、実に狭い分野なのである。だから、一般の人はせいぜい数少ない出版物を通して情報を得るくらいだろう。  いっぽう建築会社にとっても、日夜実験・研究しつづけていなければ、このような結露のメカニズムを理解したうえで住宅を建築することはできない。前出の住宅先進国、ドイツ、スウェーデンには、しっかりとこの問題を研究しつづけている大学や研究機関があるし、専門のコンサルタントもいる。信頼と実績があり、マニュアル、ガイドラインもあるため、建築のプロはそれに従うだけでよい。  日本にもそのようなものがあれば、人の健康にも良く長命な住宅も増えるにちがいない。

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