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窓・ドアの断熱方法

2018年4月10日「火曜日」更新の日記

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 重要な断熱場所は、開口部としての窓とドアである。玄関ドアは、断熱玄関ドアを採用すればよい。難しいのは窓のほうだ。窓は太陽熱や光を取りこみ、新鮮な空気を入れたりする。いっぽうで外の騒音をさえぎり、雨風をしのぐといった役割ももつ。開口部であるため、窓にはこのような3重の性格がある。  断熱のためには、ペアガラスのほうがいいことは間違いない。ペアガラスは2枚のガラス板で構成されていて、そのあいだに6~12ミリの空気層がある。内側にある3枚目のガラス板は光の透過度を減少させ、室内の熱損失をいちじるしく減少させてくれる。  ペアガラスは断熱性にもすぐれ、暖房エネルギーを節約するよう進化していて、通常の断熱サッシよりもその性能は高く評価されている。  ガラス素材そのものでは、「LOW-Eガラス」が評判になっている。このガラスは表面に極薄の特殊金属層を蒸着メッキによってほどこしていて、熱放射に対するガラスの透過度をいちじるしく減少させるいっぼうで、光の透過度は制限されることはない。つまり熱は通さずに光を通すガラス、それがLOW-Eガラスなのだ。  いずれにせよ、熱損失を減らすため、窓の断熱性能は最近とくによくなってきている。では、気密はどうなのか。もちろん問題となるのは窓を閉めたときの気密だ。自然採光と換気を可能にさせ、室内と外界の視覚的つながりを生み出す窓の接合部からは、風、寒気、騒音が侵入しやすい。窓の気密性が低いと、家全体の断熱性能が極端に落ちてしまう。  気密には、ガラスだけではなく、窓枠も大きく影響してくる。木やプラスチックの枠の断熱性能はガラスとほぽ同じだが、アルミ枠の断熱性能はたとえ断熱層が組みこまれていても明らかに低い。窓の断熱性能はガラスと枠の組み合わせで決まるため、断熱ガラスだけでは不充分なのだ。気密性を上げ、結果として断熱性を上げるためにどのような窓枠が使われているか、あるいは窓枠との接合部分にゴムパッキンなどをほどこして気密性を高めているか、といったことも忘れてはならない。  窓枠については、日本は耐火を意識しすぎてアルミサッシが多くなってきた。しかし、アルミ枠は断熱性能が低いだけでなく、製造時にエネルギーを多く消費し、有害物質を使用する素材であるため、エコロジー的にも問題がある。  さらに、プラスチック枠にはポリ塩化ビニール(PVC)製が多く、ポリウレタンなどの化学素材を使うものもある。製造時にはアルミのとき以上に有害な物質を使用するため、エコロジー的には最悪だ。  したがって、窓の断熱性能も高く地球環境にとっても良好な木製窓がベストなのだ。現在日本での普及率は低いが、住宅先進国スウェーデンなどの北欧、ドイツ、アメリカでは、木製窓のシェアはかなり高い。日本でも今後スタンダードとなっていくだろう。

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