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環境にやさしい省エネの家

2018年5月25日「金曜日」更新の日記

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 省エネの家とは、石油、ガス、電気などのエネルギーを節約する家のことで、環境を汚さない太陽光や風を利用します。  太陽光を利用するものに、ソーラーシステムがあります。これには、太陽光を熱利用する方法と、電気に変換して使う方法があります。熱利用は、屋根などに取りつけた集熱器を、貯湯槽やボイラーと組みあわせるもの。電気利用は、太陽エネルギーを太陽電池を媒介として、電気にかえるシステムです。  ソーラーシステムでもっともポピュラーなのは、屋根に太陽熱温水器の集熱板を設置するものです。 これの最初のブームは、昭和50年前後の石油ショックのころで、石油代を節約しようというものでした。  集熱板の表面にあるくぼみが、太陽熱を集め、ここであたためられた水が直接、キッチンやお風呂用に使われます。夏なら、水でうめなければならないほど熱くなります。しかし、太陽は照る日もあれば照らない日もあります。悪天候の日や、冬などの温度が低いときは、ガスや電気の給湯器のお湯を最初から使います。  値段は工事費別で、25万円くらいでしょうか。 このソーラーなら、家族が多ければ、もとはとれるでしょう。  ソーラーハウスの一種に、OMソーラーがあります。これは東京芸術大学・奥村昭雄教授が提唱するソーラーハウスシステムで、屋根を集熱面として、外気を取り入れて屋根であたため、暖房や給湯に利用するものです。その仕組みは、つぎのようになります。 ①屋根の集熱板で太陽光を受けとる。 ②ひさしの下から外気を取り入れ、屋根の下を通して空気をあたためる。 ③あたためた空気を、棟ダクトで集め、ファンでダクトを通して床下に送る。 ④熱い空気が土間コンクリートに蓄熱し、放熱で床全体をあたためる。太陽が沈んだあとも、コンクリートの放熱で、じわっとあたたかさが持続する。 ⑤床吹き出し口から、あたたかい空気(25度くらい)が吹き出し、屋根の下の空気循環口から、棟ダクトにもどり、また床下に。  OMソーラーのよい点は、床下全体があたたまるので、家中の温度差が少ないこと。夜中にトイレにいっても、廊下もトイレも寒くないのです。 外気を太陽であたため、家のなかを循環させるために、室内の空気がきれいというだけでなく、従来のヒーターのように外気を汚すこともありません。  このシステムを取り入れる家は、断熱、気密性にすぐれていなければなりません。空気が隅ずみまでまわるように、つながりのある空間が必要ですし、ドアはできるだけ少なくし、吹き抜けにすれば、空気がじゅうぷんに流れて効果的です。気密性のために、窓は二重ガラスにしたほうがよいでしょう。  困ることもあります。それは、気まぐれな天気に左右されること。太陽が照らない日は、ガスなどの補助暖房を使うことになります。  建築費用は、ふつうの家の1~2割増し。光熱費のもとがとれるか、といえば、答えはノーです。 太陽熱を利用して、環境を汚さないという点に、意義があるのです。  いっぽう、太陽光のエネルギーを吸収し、電気にかえる交換器を太陽電池といいます。その特徴は、受光面積に比例した電力がえられる、ということです。小さなものでは電卓。道路標識や街灯などにも使われています。  住宅用の太陽光発電システムは、現在7~8社から売り出されていますが、結晶体の薄いシリコン樹脂の電池を屋根などに設置し、光が当たると直流電気が発生します。これをインバータで交流にかえて使用するシステムです。  住宅用の種類としては、太陽電池と屋根材が一体になった屋根一体式と、既存の屋根に設置する屋根置き式の2種があります。  問題の価格ですが、工事費込みで500万円が目安です。1994年から、通産省が半額補助の助成制度を設けていますので、うまくすれば半額になりますが、95年度は枠の4倍をこえる応募があったそうです。それだけ、関心が高まっているのです。  夜間や雨の日は通常の供給電力を使わなければなりませんが、昼間の余った電力は電力会社に売る仕組みです。電力の売買は、メーターで自助的に集計され、売った電力料金は電力会社から振りこまれます。  川崎市高津区にシステムを組みこんだ家を新築したYさん宅は4人家族。ある月は東京電力に9023円支払い、2338円受け取ったそうです。  お金の問題はともかくとして、自然界を汚さない太陽光でお湯をわかせる、と考えるだけでも気分がよくなりますし、原子力発電への歯止めに少しは役立つかもしれません。

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