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床面積と施工面積

2019年2月4日「月曜日」更新の日記

2019-02-04の日記のIMAGE
「本体価格1380万円」といわれたら、多くの人は1380万円で家が建つと思うことでしょう。消費者が思い浮かべる「本体価格」は、暮らせる家の価格です。「本体」という文字がついている以上、「あくまで標準の価格。食器洗い機をつけてほしいと頼めば、別途料金がかかるだろう」くらいの認識はあります。一方、住宅メーカーが意味する「本体価格」はあくまで建物の本体だけ。水がなくては生活できないというのに、水道も排水もつなかっていません。電気の引き込み工事や、工事中必要な仮設足場の料金も含んでいません。冷暖房、照明器具、カーテン、ブラインドももちろん別途工事です。住宅業界には、明確な価格基準がありません。どこからどこまでを含んでこの価格という共通のルールがないのです。ハウスメーカーやローコスト住宅メーカ-は、敷地条件や個別の要望であるオプションエ事の内容が把握できないので、「本体価格」しか表示できないというでしょう。ある意味正論なのですが、消費者心理だと普通に生活できる住宅の価格だと勘違いしてしまうのも当然です。ですから、消費者としての防衛策は「本体価格」とか「基本本体価格」という言葉が出た時点で、プラス300万円から500万円ぐらいの付帯工事費や経費がかかると算用しておくほうが無難です。また、住宅会社のいう「面積」にも2種類あります。1つは、建築基準法上の「床面積」です。もうひとつは、「施工面積」のことです。「施工面積」には通常の「床面積」だけでなく、玄関ポーチやバルコニー、さらに吹き抜けの2階部分など、実際には床のないところまで「面積」に加えてあるのです。この施工面積のはじき方にもこれといったルールはありません。ですから、「坪単価」を聞いて家の値段を比較するのは、あまり意味がありません。家の価格は、これ以上何も加えなくても住める状態でいくらなのか、あなたの要望を満たす条件であるのか、その点をちゃんと確認しましょう。戸建てに限らず、分譲マンションの広告にも、「月々家賃並みの支払いで買えます」という言葉がよく見うけられます。住宅メーカーの営業マンもよく使う言葉です。彼らの説明によれば、確かに一ヵ月の返済額は家賃並みです。家賃を払う金額で持ち家が手に入るなら、これは絶対にお得です。「それなら、賃貸より、持ち家に住みたい」と考えるのが普通の反応でしょう。しかし、十分注意してください。月々の返済を低く抑えるぶん、ボーナス時の返済額は多額になっていませんか。この不況下、大企業でもボーナスは当てにならなくなりました。

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