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家を建てる目的とは

2019年2月9日「土曜日」更新の日記

2019-02-09の日記のIMAGE
元請け会社から金額を叩かれ自分の給料すら取れなくなったそのとき、妻の心は破綻してしまいました。仕事にかまけて夫婦の会話の時間や子どもと接する機会が皆無になっていたからでしょう。私自身、家の価値と無関係の高額な宣伝広告費や本社経費を上乗せされた大手の家づくりに疑問を抱き、下請け仕事を続けようか止めようか悩んでいました。そこで私は、「家族が肩寄せあって、明るく幸せな団らんを生み出す家を建てていこう。そして、お客さまの顔が見えない下請け仕事はもう止めよう」と決心しました。その家を、私は「家族団らんを育む家」と呼んでいます。共働きの主婦(夫)が最短で家事を終わらせられるような動線計画、家事の労力負担を軽減できるような設備計画、また掃除の頻度を減少させる収納計画などを特徴としています。いろいろな工夫とアイディアを詰め込み、注文建築ながら子育て世代でも手が届くローコストを実現させました。この家から生まれた家族団らんの時間が、「いじめ」や「若年者の自殺」をなくすきっかけになれば幸いです。家を建てる目的は、「家族との大切な時間を過ごす空間を建てること」。「家」そのものを手に入れることが目的ではありません。ところが、アパートやマンション暮らしを経てから家を建てた方が、こんな話を囗にされるのを耳にしました。「狭いアパートにいたころは、家族がいつも一緒で仲よく暮らしていたのに、戸建てに移ったらみんながバラバラになってしまった」家が狭いとたとえケンカをしていても、家族と顔を合わせなくてはなりません。顔を合わせれば、もともと仲がよかった家族のことです。自然と言葉をかわすようになり、気がつけばケンカのことなど忘れて笑い合っているものです。家を建てるなら、家族が今以上に仲よく、楽しく暮らせるようにしたいものです。そこで、提案したいのが、家族が顔を合わせる機会が多くなる間取りです。「リビング階段」はいかがでしょうか。2階へ行く階段はリビングに設置するのです。学校から帰ってきた子どもは、リビングを通らなくては、自分の部屋へ行けません。出かけるときも同様で、家を出入りするたびに親の前を通るので、「何かあったのかな?」くらいの察しはつきます。服装が派手になったり、買い与えた覚えのないバッグをもっていたりしても、すぐにわかります。対面式のキッチンも、家族と顔を合わせる機会を多くしてくれます。子どもが小さいうちは、ダイニングテーブルで宿題をさせましょう。

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