この安さには裏があるプロが見抜いたローコスト住宅裏事情
2015年8月16日「日曜日」更新の日記
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- Ｏ池さんから最初の質問メールが届いたのは、3月11日月曜日、夜9時のことだった。 先に簡単に紹介したように、オール込みの予算が1700万円以内、10～15年程度居住できるローコスト住宅を取得するにはどんな選択肢があるかというものだった。 メールの文面からはすでにして、大手の営業マンの態度に相当カリカリしている様子がうかがえた。一例をあげると、相手のことを考えないしつこい電話や訪問、無闇と契約を急がせるなど（こういう営業態度への対処法についてはあとでまとめて説明する）。 それはともかく、まずローコスト住宅にはどんなものがあるのかをみてみよう。 ■ローコスト住宅のいろいろ：昨今のデフレ不況のなかで話題を呼び、ニーズも高まっている「ローコスト住宅」。その名のとおり坪単価の安さを売りにする、こうした家を提供する会社は、大きく分けると次のとおり。 １大手ハウスメーカー Ｏ池さんがすでに候補に挙げているように、大手の「ＬＩＭＩＴＥＤ２５（以下、「リミテッド25」と表記）」と、エスバイエルの「SUMAI21（以下、「すまい21」と表記）」が双璧。セキスイハイムにもローコストをうたった商品があるが、両社にくらべると価格帯が少し高い。 ２アイフルホーム、ユニバーサルホーム等のＦＣ会社 これらのメーカーはテレビなどで盛んに「ローコスト住宅」を宣伝している。値段的には確かにローコストだが、問題は営業体制。フランチャイズーシステムをとっているので、個々の代理店の施工精度に大きなばらつきがある。 ３地域限定でローコスト住宅を目玉商品にしている中小工務店 価格よりも住みやすさか、またはその逆か、両方をにらみ合わせた中間か、どのポイントで発注するかで選択の幅は異なるだろう。しかし、２、３の場合には、どうしても完成度にばらつきが出る可能性が否定できない。また、住まいには長期にわたるメンテナンスが不可欠であり、この体制がとりきれるかどうかという点で、この不況のなかでは経営に不安が残る。これらをあわせ考えると、Ｏ池さんのケースは１の大手ハウスメーカーという選択肢がベストだろうという結論になる。 こう言うと消去法というか、消極的選択のようにも見えるが、この「消極性」をいかに積極的なものに変えていくかがハウスメーカーとの交渉ポイントの一つなのである。つまり、ハウスメーカーの提供商品を鵜呑みにするのではなく、それを一種のプレタポルテとして、いかに施主の身体にあわせてカスタマイズするか、ということだ。
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