日陰の存在だった再販物件
2015年11月6日「金曜日」更新の日記
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- 2007年3月に竣工済みの総戸数40戸のそのマンションは、元の売主が発売した際には数戸しか売れずに同年9月、販売を停止していたといいます。そのうち30戸を販売代理をしていた同社が買い取って再販をかけたわけです。その際、単に価格を下げるだけで「キズモノの安売り」というレッテルが張られる恐れがあったため、家具・家電付きにするなどして付加価値を付け、広告上のキャッチフレーズとして「アウトレットマンション」と名付けたのが始まりだったようです。価格はりＩズナブルでも質は高い物件として、今までにない販売手法をアピールするために、ブランド品の特価販売を行う「アウトレット・モール」をイメージしたそうです。前述したように、売れ残り在庫をまとめて買い取って再販する業者は以前から存在しました。しかし、そうした業者が扱う物件は、倒産したり経営危機に陥ったりした開発業者が、現金化を急ぐために投げ売りした結果として出てきているだけに、表だって情報が流通することのない、日陰の存在でした。それを買い取り再販であることを開示して、おおっぴらに安値で売り出した同社は、再販物件のイメージを変えたと評価されています。とはいえ、最初から順調に販売できたわけではないようです。「2008年７月頃までは、当社の知名度も低く、マンション不況に入りかけていた時期の悪さも重なって、イベントを打ってもほとんど反響はありませんでした。「アウトレット」という言葉が好意的に受け止められるようになったのは10月頃からです。それ以降は非常に好調に売れています」（同社営業企画部担当者）にわかに注目を集め始めたのは、リーマす。以降、マスコミにも盛んに取り上げられ、「アウトレット分譲マンション」「アウトレット物件」「アウトレットーレジデンス」など、「アウトレット」を前面に出したマンションを扱う業者も増え、物件情報も溢れ出してきたのです（そうした中には、元もとの再販業者がブームに乗じて自社で扱う物件に「アウトレット」という冠を付けただけのケースが多いのですが……）。日陰の存在だった再販物件が、「アウトレット」という新たな名称を獲得することで、いつの間にか市民権を得てしまったわけです。
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