●立退料とは
2016年6月19日「日曜日」更新の日記
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- 立退料ということばは広く使われていますが、実は法律上の用語ではありません。したがって、その意味はとてもあいまいであり、いろいろな含みを持って使われています。なお居住者が出て行くことを「立退き」といいますが、「明渡し」ということばもあり、その際に授受されるお金も、「明渡 料」「明渡金」あるいは「立退金」などとよばれますが、ここでは「立退き」「立退料」という言葉で統一したいと思います。たとえば敷金があまっているような場合には、貸主は明渡し完了と引き換えにこれを借主に返さなければなりません。このことは契約当初からきまっていたことであり、いわば当然のことです。 これに対して、立退料の支払いということは、契約の当初から予定されていたことではありません。契約当初の時点では「契約が終了すれば出て行く」ことは当然であると考えられていたはずであ り、立退料というものは予想されていなかったことなのです。契約が終了すれば、借主は本 来なら立ち退かなければなりません。ところが現実問題として立ち退かない場合には、貸主としては 訴訟にかけて判決をもらったうえ、強制執行の手続きにより、強制的に立ち退かさなければなりません。それには時間と手間、それに費用がかかってしまいます。そこで貸主のなかには、このような手続きをとる代わりに、立退料を払ってでも自主的に立ち退いてもらおうという人が出てきます。借主の側でもどうせ出て行かなければならないのなら、立退料をもらったほうが得です。このようにして、立退料の多くは、契約終了後の話合いできめられているのです。
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