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【積極的に行動するのがN不動産】

2016年9月19日「月曜日」更新の日記

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N不動産は進出当初から、法人向けの一括分譲や一括賃貸を手がけつつ、不動産信託や不動産金融の研究においても業界の注目を浴びていた。先発というわりには、その後供給戸数で他社を引き離したという印象はない。むしろ各社がそれこそ戸数競争にしのぎを削っていたバブル期は、供給戸数で後発の不動産会社に水を開けられた感が強かった。それがここ2、3年、貯めておいた力を一気に吐き出したかのように元気なのだ。不動産会社別全国供給戸数ランキングにおいても、首都圏ランキングにおいても、ペスト10の常連として定着し、ベスト5の仲間入りをしそうな勢いである。特に、マンション用地となる土地の仕入れにN不動産は積極的と評判が高い。「あそこの土地は結局、N不動産にもっていかれてしまいましたよ」この手のグチを、不動産会社各社の土地仕入れ担当者の口から耳にする機会が多くなった。バブル崩壊直後とは異なり、不動産会社は土地の仕入れにかなりの苦戦を強いられている。マンション用地となるような面積のまとまった土地が、そう簡単には市場に出てこないのが大きな要因なのだが、それだけではない。用地仕入れの市況とマンション販売の市況とのバランスが崩れてしまっていることに、仕入れ担当営業マンの大いなる悩みがある。マンション販売の市況においては、価格を多少なりとも高目に設定すると、販売に苦戦するという状況が続いている。にもかかわらず、不動産会社は以前にも増して供給戸数を増やさないことには存続できない。販売価格を抑えるためには、一棟のマンションから得られる利益率を下げざるを得ないことから、供給戸数を増やすことでグロスの利益を確保しないことには企業として生き残れないのである。戸数を増やすとはいっても、マンションは工場生産品ではないので、事業のもとになる土地の確保が必要になる。不足がちの用地獲得に不動産会社各社はますます競合することになり、他社を出し抜いて取得するためには、以前に比べてかなり高目の価格を提示しなければならなくなってきているのだ。土地の仕入れ価格が高くなるということは、それだけマンションの原価が高くなるわけだ。だが、マンションの売り出し価格をそれにスライドさせて高目に設定すると、今度は売れ残る危険性が高くなる。販売戸数を確保するためには強気で土地を仕入れなければならない反面、仕入れ価格については弱気にならざるを得ないというジレンマに、不動産会社各社は陥っている。ところが、そんなジレンマなどどこ吹く風で、用地取得に積極的なのがN不動産だ。マンション用地として有望なまとまった土地が売りに出されると、不動産会社が何社も買い手として手を上げる。各社がバラバラに買付証明を出したり、仲介業者が仕切って入札制にしたり、地主が買い主を一社に絞るための方法はケースバイケースなのだが、数社が競合した結果、フタを開けてみたらN不動産が競り勝ち、さらっていったという話が業界には多い。一例をあげれば、平成8年5月から6月にかけて国有地の入札が8件あったのだが、N不動産がそのうち6件を落札したというのである。競合他社を押し退けて買えたということは、それだけ高い価格を地主に提示したということだ。国有地の入札でも、N不動産の落札価格は2番手他社の提示額よりも15パーセント以上高かったといわれている。口の悪い同業者からは、ヤッカミ半分で、「あんな価格で土地を仕入れてマンションを作っても採算が合うわけがない」と陰口をたたかれるほどだ。

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