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部品類を交換する

2016年12月9日「金曜日」更新の日記

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建物が古くなると、建物本体に付帯する部品類も傷んでくる。たとえば、プラスチック製品は黄変したり、弾力性を保持させる可塑材が風化して、ひびわれてきたりする。雨がかかる部分にある鉄製品は、さびがいちじるしく、ボロボロになってくる。そこで、大規模修繕工事の際には、建物に付帯する部品類を交換することが大切になる。傷んだ部品類の交換にたいする配慮が、工事の美観上の成否を決定するといって過言ではない。大規模修繕工事は外壁の化粧直しという考え方が強い一面があるので、ともするとこのことを忘れがちになる。部品類の交換にあたっては、まず、現在の部品・器具をとりはずし、外壁などの仕上げをほどこしたうえで、新しい製品をとりつけることに留意したい。塗装仕上げをした後で部品交換をしたために、塗り残しの部分かできたり、旧部品の跡が残ったりしているのをよく見かける。交換したい部品類の一番目は、共用玄関・共用階段まわりである。共用玄関まわりに時代遅れの器具がついていたり、安価な普及品がついていたりする。居住者全員の玄関だけに、少しグレードの高いものに交換したい。掲示板も、管理組合の事情にふさわしいものがついているとはかぎらない。必要以上に大きかったり、理事会用と自治会用を不ぞろいでつけている場合がある。小さすぎるために、掲示がいつもあふれているマンションもめずらしくない。いずれの場合も、日常の掲示の量と、玄関まわりの視覚的なバランスを考えて交換を検討したい。マンションによっては、掲示板の横に居住者名札をつけているものがあるが、十分に活用されておらず見苦しい場合もあるので、とりかえにあたって名札のない製品にするのも一案である。新しい製品のとりつけにあたっては、老人や、身長一五〇センチ台の人のことを考えて高さを決定したい。最近は一般家庭にもA4判の封筒が届けられることが多い。古いマンションの郵便受では、A4判の封筒は折らないと入らない。また、鉄製のものは点触が目立ってくる。そこで、A4判封筒が楽に入る大型の郵便受に交換する。製品の選択にあたって、雨の吹きこむ可能性のある半屋外にとりつける場合は、ステンレス製を選ぶのが賢明である。アルミに焼きつけ塗装をした製品は、一〇年を待たずに塗装がはがれてくることがある。古いマンションでは階段や共用廊下に付帯する階数表示盤や、共用灯のスイッチはプラスチック製のものが多いので、ステンレス製に交換したい。アルミ製のものは点蝕現象が生じることがあるので、製品の選定に注意を要する。二番目は、各戸の玄関まわりである。各戸の名札はプラスチック製かアルミ製の場合が多い。プラスチック製は黄変して汚くなっているし、アルミ製品は点蝕現象が進行している。ステンレス製に交換するのがいい。ドアホンをつけていないマンションでは、プラスチック製のブザープレートがついていることが多く、共用灯のスイッチプレートと同様、ステンレス製に交換する。なお、ドアホンの場合には、共用部分に準じて一斉交換することを検討してもいいだろう。玄関ドアの帰属は管理規約のうえで、扉枠は共用部分、扉は外側が共用部分、内側は専有部分としている例が多い。ただし、実際の運用はむずかしい。この解釈からするとドアノブは共用部分ということになろうか。そこで、ドアノブをレバーハンドルに一斉交換するところが出てきた。ドアそのものの交換は現在のところあまり例がなく、入居三〇年台以降になるであろう三番目は、建物外部まわりである。建物の外部まわりにも交換を必要とする部品類がいろいろある。まず、雨樋の支持金物。古いマンションでは鉄製品が使われているので、ステンレス製に交換する。プラスチック製、塩ビ被覆のものも劣化の進行状態によって交換を検討する。つぎに建物に付帯するエアコン・スリ・ブキャップや給排気フード類。これもプラスチック製品が多いので、ステンレス製に交換するといい。なお、外部の部品類の交換には、シーリング処理が必要であるが、シーリング材の選択をまちがえると部品周辺が汚れてくるので注意を要する。

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