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上手な収納のつくり方

2018年1月7日「日曜日」更新の日記

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 これまで長年にわたってユーザーの住まいづくりを見てきて感じるのは、それほどコストをかけなくてもゆとりある住まいづくりに成功するユーザーと、十分過ぎるほどコストをかけても失敗してしまうユーザーがいることです。そして、その差はちょっとしたプランニングの違いから生まれているケースが少なくありません。  なかでも、住み手の満足度を最も左右しているのが収納です。収納を上手につくることは、快適な空間づくりそのものと言ってもよいくらいです。  では、どれくらいの収納スペースがあればゆとりある住まいになるのでしょうか。家族構成やライフスタイルによっても異なりますが、一般的には床面積の10%と言われています。住宅金融公庫の基準では、9%が優良住宅の目安になっています。  しかし、これまでの経験からこれでは少ないというのが私の実感です。家族4人の標準世帯では、最低でも床面積の15%は収納スペースがほしいところです。  もちろん、収納スペースの面積は条件の一つにすぎません。ゆとりある住まいにするためには、面積だけでなく収納の場所や奥行き、高さ、使い勝手などの検討も必要です。平面図の収納部分をマーカー等で塗りつぶせば、どこにどのくらいの収納スペースがあるかがひと目でわかるようになります。  また「見せる収納」と「隠す収納」の2つをうまく活用することも、上手な収納のポイントです。見せる収納とは、カップボードやサイドボード等の家具類のこと。隠す収納とは、押入れやクローゼット、納戸などのことです。  家具類などの見せる収納は、取び出したり仕舞ったりするのにはたいへん便利なので、つい頼りがちですが、あまりたくさん設置すると部屋の中がごちゃつくことになります。すっきりした快適空問にするためには、必要最低限の物だけを見せる収納に仕舞い、今すぐ必要でない物は隠す収納を利用することが大切です。  そこで、おすすめしたいのが納戸です。生活スペースから不要不急な物やストーブ、扇風機といった季節物が消えますし、とりあえず入れておくのにもたいへん役立ちます。  見栄えを気にしなくてもよいので、箱類を積み上げておくこともできます。入口の上部も含めて四方に棚を付ければ、さらにたくさんの収納ができるようになります。  場合によっては、書斎やパソコンルーム、あるいはホームエレベーターの設置スペースにも転用できます。プランニングの際には、ぜひ加えてください。  広さとしては、3畳から4畳くらいが適当です。2畳では、洋服のクローゼットとしては役に立ちますが、納戸としては収納効率が悪い中途半端な広さと言えます。その場合は、納戸にするより奥行きが半分の押入れ2つにするほうが使いやすくなります。  もし、スペースの関係でどうしても納戸が設置できない場合は、小屋裏を収納スペースに活用しましょう。「カトラン」では、オプションで設置できるようになっています。3坪の広さのハシゴ付きで約37万円です。  納戸は、ゆとりある住まいの絶対条件です。はじめはいいかもしれませんが、長く暮らしている間に必ず物は増えていくもの。長く快適に住まうためにも、収納を重視した住まいづくりをおすすめします。

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