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坪単価の賢い見方

2018年1月15日「月曜日」更新の日記

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 よく住宅の建築費を比較する方法として、「この家は坪50万円でできました」というように坪単価が使われます。坪単価とは、建物の床面積1坪(3.3平方メートル)当たりの価格を指したもので、施工床面積40坪の家が本体価格2000万円だとしたら、坪単価は50万円になるわけです。  昔からこの坪単価を比べて、その家が高いとか安いとか判断したり、あるいはどの程度の水準の家なのかを知る目安にしてきました。このため、現在でも坪単価を住宅価格の基準にしているユーザーも多いようです。  しかし、便利な坪単価も使い方を誤ると大きな誤解に結びつくことがあります。坪単価ならではのからくりもあり、単純には高いとか安いとかを判断できないのです。  からくりの一つは、小さい家ほど坪単価が割高になることです。例えば、家を小さくすることによって使う建材の量が面積比と同じ割合で減るなら坪単価には影響を与えません。 しかし、実際は外壁の量や基礎の跫、柱や梁の本数は、面積が減るのに比例して減らせるわけではないのです。  コストのかかる水回りの数も同様です。家の大小に関係なく普通は、キッチンや浴室、トイレの数は同じなので、それにかかる費用は小さい家でも大きな家でもさほど変わりません。このため、グロスの本体価格が安い小さな家では設備費が相対的に坪単価を押し上げることになります。  また、床面積が同じでも建物の形状によっては工事費が高くなり坪単価を上げるケースもあります。複雑な形状にすればするほど、同じ床面積でも外壁の量が増えてしまうのです。そういった意味では、真四角で総2階の建物が、一番空間を有効に活用した住まいになります。  もう1つは、坪単価には住宅設備機器などの仕様が反映されない点です。同じ床面積の家でも、建材の質を落としたり、本体価格に組み込んだ住宅設備機器のグレードを落とすことでコストを下げ、坪単価を安く見せることができます。つまり、建物の仕様を見ないで坪単価を比較しても意味がないわけです。  坪単価を比較するには、プランの規模や内容、仕様などをしっかりチェックしたうえで比べることが大切です。そうでない限りは、坪単価はあくまでおよその価格水準を知るための目安くらいに考えておくほうがよいでしょう。

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