住民相互間のルールづくり
2018年3月15日「木曜日」更新の日記
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- ヨーロッパの住宅管理においては、住民相互間の生活のルールが、私たち日本人の目からは厳しすぎるほどに築き上げられていることももうひとつの特徴である。
日本人はこう書いている。
「ドイツで住むためには次のような一般規則がある。
1休日に音をたてない。掃除・洗濯・音楽など。
2普段の日でも夜は10時以降は音をたててはいけない。電話も10時まで。
3パーティーをするときは、あらかじめ隣人にその旨を伝える。
4自分たちの住まいのまわりをきれいにする。紙くずなど一切落とさない。
5管理人のいない住宅の場合は、隣人と交代で階段、入口、庭、道路の掃除をする。
もし双方の者が怠って雪かきをしていなかったために通行人がすべって骨折でもした場合は、それを怠った者の責任で医療費を支払わねばならない。
6悪臭をはなつ料理をしない。
7バルコニーやポーチから見える前庭や階段に見苦しいものを置かない。ガラクタや自転車や乳母車など」。
ヨーロッパの人たちは夜遅くには風呂に入らず、朝シャワーを浴びることが多いが、これもルールがあるからだ。
昼の休息時間、午後1時から3時までも音をたてない。
電話もかけない。訪問もしない。
そもそもアポイント(約束)をとらずにふいに訪問しても、ノックやべルは無視されてしまう。
これに違反すると厳しく注意される。互いに気持よくスムーズに生活してゆくためのルールだからだ。
これらのルールを通じて、よい居住地、よい街がつくられていくのであろう。ヨーロッパの街を歩いてみれば、その美しさが住民の手によって守られているものだということがわかる。
日本人はこうも書いている。
「日本は高度成長とか一般家庭の暮らし向きの豊かさとかを自慢しているが、しかし個々の家の窓のガラスやカーテンはなんだ。
日本全体がまるでヨーロッパではめったに見られないスラムのようだ」。
生活のルールをつくり、街を美しくしていくことへの自覚と自治意識の延長線上に、政府の住宅政策や都市計画はどうあるべきかを考える能力が発展していくのであろうと思う。
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