住居をどうつくり、どう管理するのか
2018年3月16日「金曜日」更新の日記
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- 日本の実情はと考えてみると、私たちの住宅自主管理能力、女性の社会参加、生活のルールづくりなど、どれをとってもお寒いかぎりであることに気づく。 1983年、住宅・都市整備公団が24年ぶりに女性建築家を採用した。 そのときの公団総裁のコメントはこうだ。 「なぜ女性の建築家を公団が採用したかというと、男にはいらないと思える空き箱や着なくなった服をとっておくなど、女性の生活感覚はなかなか理屈では割り切れない。 そのための収納スペースをふやす必要がある。 また公団に普及したステンレス流しだって、今の若い人たちには高さが低すぎるということなど、男にはわかりにくい」 日本の住宅政策の一翼を担う住宅・都市整備公団の総裁が女性の専門家に対してこの程度の認識しかもっていないのは驚きである。女性が住居の中で占める役割をまったく理解していない。 プレハブメーカーが女性社員のグループに商品（住宅）についての意見を述べさせて、それを採用していくということもしているが、これはあくまで商品としての住宅をつくる手段であって、人間らしい暮らしのできる住宅づくりにはほど遠い。 事実、壁紙の色とか流しの使い勝手程度の修正にとどまっているようだ。 住居をどうつくっていくのか、居住者がどう管理していくのかという本質的な姿勢からの取り組みとビジョンが必要だ。 家庭の管理者、ホームペースの守り手としての女性が、その重大な役割を認識し、声を大にして住居の問題について発言し、住宅改良・自主管理の実践に乗り出していかねばなるまい。
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