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間取りは参考にならないかも…

2018年3月27日「火曜日」更新の日記

2018-03-27の日記のIMAGE
 住む人が違えば生活が違い、生活が違えば家のありようも違ってくるのは当り前。つまり、家はそこに住む人に合わせてプランするものなんですね。ところが、モデルハウスは人が住むことを前提に建てられたものではありません。もちろん、どのモデルハウスも一定の家族を設定してはいます。たとえば、夫婦2人と息子・娘の4人家族で、父は某商事会社に勤務、趣味は競馬ならぬ乗馬で、月に1回はフィッシングを楽しみます。妻は読書が好きで、フランス料理がお得意。お菓子づくりにも凝っているので、キッチンは家族や友達みんなで楽しく作れるアイランドタイプを採用。一方、大学生の息子はただいまイギリスに留学中、娘はミッション系のハイスクールに通っている…そんな家族が住む家なんですよ。少なくとも一般的とは言えませんよね。つまり、見せ場を作るために、より現実とはかけ離れたいわゆるハイソサイティーの家族を設定して、ひとつの提案をしているに過ぎないのです。なぜこんな話をしたかというと、モデルハウスを見てそのまま「わが家」のプランに置き換えようとする人が意外に多いからなんです。やれ乗馬だフィッシングだフランス料理だ、あるいはパーティだなんていう生活が日常ならば、グランドピアノが置かれたゆったり広い多目的空間や、もうひと部屋作れそうな広びろとした玄関ホールでもいいですよ。しかし、正直言って、頭金は何とかできるけどあとはローンでどうやらマイホームが持てる、というのが家づくりの現状だと思うんです。そうすると、家族を設定したモデルハウスを見れば、「うちは30坪程度の小さい家しか建てられないからこんな間取りではとても無理だし参考にならない」とガッカリしてしまいます。そんなふうに思うなら、いっそのことモデルハウスなんて見ないほうがいいのです。目の毒ですから。夢はしぼむ一方だし…。家はそこに住む人によってその中味が決まるもの。10人いれば10人とも顔が違うように、ライフスタイルも10人10色です。だから、AさんにはAさんの生活に合わせたプランでなければ意味がありません。生活の伴わない、あくまで人に見せることを目的に建てられたモデルハウスが大きくて広いのは当り前。間取りも同様、一見ゆったりしていて快適な印象を受けますが、動線などはそこで生活するためというより、むしろ見学する人が移動しやすいように計画されていることもあります。だから、モデルハウスの間取りはあまり参考にならないと思っていれば間違いはありません。

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