へやみけ

トップ > 平成30年3月> 29日

顔族揃いってというのも善し悪し

2018年3月29日「木曜日」更新の日記

2018-03-29の日記のIMAGE
 家づくりは、家族みんなが意見を出し合い、協力し合ってこそうまくいくもの。だから楽しみも、全員で分かち合えるといいと思います。「私はこんな部屋が欲しいわ」「ボクはお父さんと一緒に入れる大きなお風呂があるといいな」など、まずはそれぞれの新しい家への夢と希望を語りあうことから始まって、だんだんに住みたい家の形を決めていく作業が楽しくないはずはありません。ふだんは無口なお父さんも、反抗期の息子も、共通の話題があれば自然にコミュニケートできるというもの。これこそ、楽しい家づくりの第一歩といえましよう。そして、展示場に行ってモデルハウスを見ればもっと具体的に検討できるのですから、家族揃って見学というのも悪くないですよね。しかし、全員揃ってというのは、時と場合によっては良くもあり悪くもあり、なんです。ね。ことに、まだ建てたいイメージがはっきりせず、それぞれの意見の調整ができていない段階では、あれもいいしそれもいい、でもこっちもいいじゃない、なんて目移りしちゃって大変。帰ってきたら、どのメーカーのどのモデじじウスのどこが気に入ったのか、こんなキッチンじゃ使いにくいと思ったのはどれだったのかさっぱり記憶に残っていない…いったい何のために行ったんだっけ、ということになりがち。でも、楽しいならそれでもいいというのなら何も言いません。しかし、家づくりというのは、とにかくスケジュールが押せ押せになるのが普通です。どうせ見学するなら、もっと効率よくやりたいもの。家族の意見がまだ煮つまっていない段階では、ついはしゃいでしまいがちなので、全員揃ってというのはやめたほうがいいかもしれません。では、煮つまってきたらどうかといえば。この場合も全員でというより、家づくりに関して決定権を持った人がひとりか2人でじっくり見たほうがいいと思います。家族全員だと、どうしても注意力が散漫になり、チェックが甘くなってしまったりしますから。見てもらう側としては、ひとりだろうが家族揃ってだろうがどちらでも構いません。でも、ここだけのはなし、脈のありそうなお客さんの場合はどちらかというと、複数で来ていただいたほうがやりやすいんですよ。なぜなら、ひとりで見えた場合は、最終的には「家の者と相談してから…。」ということになり、なかなかこちらの営業ペースに乗ってもらえません。ところが、家族揃ってという場合は、こちらの提案に対する反応がすぐ返ってきますから、話の流れがとぎれずにすみます。しかも、家族と一緒にいる安心感もあってか、不思議と話を肯定的に受け取ってくれるため、とてもやりやすいんですよ。逆にお客さんの立場に立てば、もっと慎重に検討しなければいけないような内容についても、ついその場の雰囲気にのまれてしまって、すっかり営業マンのペースにはまってしまうということになります。営業サイドとしては、お客さんを自分のペースに引き込んで何とか契約に持ち込みたいというのが本音ですから、そのへんのもっていきかたはうまいですよ。いいとか悪いとかの問題ではなく、それが商売なんですから…。建てる側としては、やはり相手のペースに巻き込まれることなく冷静かつ慎重に判断する必要があります。そのためには、モデルハウスを見て確かめたいこと、チェックしておきたいことをあらかじめメモしておいて、ひとりかあるいは2人でじっくりと見て回り、その結果を家族に報告して意見を求めるようにします。「船頭多くして舟進まず」と、昔から言うではありませんか。あるいは、家の各部所ごとに見る人を決めるのもいい方法かもしれません。たとえば、キッチンなどはほかの人はともかく、なんといっても主婦が主役です。動線は効率的か、カウンターの高さはどうか、水栓の使い勝手は、収納の位置はどうかなど、主婦自身が実際にキッチンに立って確かめなければなりません。こんなとき、ほとんど家事の手伝いをしてくれない夫が一緒では「いい加減にしろ」「早くしろ」とせきたてられるのが関の山ですね。それだったら、奥さんひとりか娘さんと2人でじっくり見て、ご主人にはあとで報告したほうがずっと能率的です。また、お年寄りには玄関をはじめ各室の段差を体験してもらうなど、必要な箇所を必要な人が見るよう、役割を分担するわけです。

このページの先頭へ