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「結露」を発生させないために

2018年4月4日「水曜日」更新の日記

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 住宅の構造は多くの人の関心事である。1995年1月17日の阪神・淡路大震災の教訓から、耐震性能がクローズアップされてきた。これを機に、耐震性能を高める努力を多くの建築会社もしているし、施主もそれなりに勉強し、頑丈そうな家を選ぶ傾向となっている。  しかし、建築時の初期性能だけではなく、20年後、30年後までどれだけ当初の耐震性が維持されるかという2次性能の問題も忘れてはならない。  たとえば、阪神・淡路大震災では6400人もの命が失われ、16万棟の建築物が倒壊した。多くのレポートやマスコミの報道によると、建築物の倒壊による死亡が多いとされる。しかも倒壊した建築物のほとんどは、1981年の建築基準法施行令の改正で「新耐震基準」が定められる以前に建てられたものだという。  では、この「新耐震基準」さえクリアしていれば安心なのだろうか。たしかに、この基準が制定される前の1980年までに建てられた家の倒壊総数と、1981年以降に建てられた家の倒壊総数を比較すると、8対2の比率で前者のほうが多いと推定されている。ほとんどという表現になるのは数の論理から当然だろう。でも気にかかるのは、比較のうえで圧倒的に少ないとはいえ、「新耐震基準」による建築物もかなりの数が倒壊しているという事実である。  建築時にそもそも耐震性能が低い住宅は問題外だ。ましてや、手抜きをしたり、入念なチェックをしていないものは犯罪とさえいえる。ある意味でこれを取り締まるために、2000年の4月1日から住宅の品質確保促進法が施行され、10年間の瑕疵担保責任が建築会社に義務づけられた。  しかし、この法律の規定はあくまで10年間であり、20年後、30年後は施主の自己責任となっている。阪神・淡路大震災の教訓を活かすためには、構造についての多面的なとらえ方が必要となってくる。  震災で倒壊した相当数が築20年以上の建築物だった。家を壊して新たに建築する、いわゆる建て替えサイクルは、日本では約36年。飽きた、住みづらい、など、理由はさまざまだろうが、ひょっとすると人間にそなわった本能が、倒壊の危険を察知したからとは考えられないだろうか。  現在の住宅会社の多くは、耐震性能においてはしっかりとした住宅をつくっているといえるだろう。会社によっては実物で実験までして耐震性能をアピールしているが、建ててから10年後、20年後、30年後のモデル棟で実験した会社はひとつもない。  しかし、私たち自身の手で、2次性能としての耐震性能を見抜く方法がある。建築時から結露防止に配慮した構造・工法かどうかを確かめればいいのだ。結露防止は、人間の健康にとって非常に重要だが、建物そのものの長命化にとっても不可欠な対策なのである。大震災で倒壊してしまったのも、構造樞体が腐っていたり、さびついていたりして、2次性能としての耐震性能、すなわち耐久性がいちじるしく低下していたためと考えられる。

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