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外断熱か内断熱か

2018年4月8日「日曜日」更新の日記

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 外断熱の魅力について、内断熱と比較しながら解説していこう。  外断熱工法は建物全体を外側から断熱保温するため、内断熱工法に比べて多くの長所をもっている。まず、外断熱工法では、断熱材が家を守り支える構造体の外側にあるため、構造体の温度は常に室内側の温度に同調する。そして、構造体が蓄熱層として室内温度を安定させる役割を担い、室内の温度が一定に保たれるのだ。このため、構造体自体が結露を発生させる心配はない。  さらに、柱や梁もすっぽり外側から断熱材で覆うことができるため、柱と柱のあいだも室内側の空間となるので、コンセントなどの配線も自由になり、断熱材が途切れることがない。したがって、断熱欠損による結露の可能性もなくなる。  屋根の断熱についても優れた効果がある。屋根垂木の上に断熱材を張り、断熱材の外側に通気層を設けて屋根材を葺く。こうすれば、真夏の直射日光の熱であっても、屋根裏に伝えない構造となるわけだ。  まだある。通常、床下の断熱は施工が困難で完全な断熱効果は期待しにくい。しかし、外断熱では基礎の外側から建物を断熱するために、床下に断熱材を使う必要はなくなる。基礎の部分に断熱すれば、居住空間同様、床下にも良質な温熱環境が実現できる。  もちろん外断熱にも短所はある。まず、内断熱に比べて建築コストが多少高くなる点。そして短所というほどのことではないが、そこに暮らす人みんなが全館暖房のルールを守らなければならない点もあげられる。  ただ全館暖房といってもランニングコストはあまりかからない。なぜなら外断熱によってもともと温度が均一に保たれているからだ。エネルギーがかかるのはむしろ、バラバラにつけたり消したりする習慣のほうだ。温度を上げたり下げたりするときにエネルギーはかかるが、一定に保つときにはあまりかからない。  このように、省エネによって経済性を高め、全館暖房が効果を発揮して快適性を生み、結露を防いで住宅を長命化させるなど、外断熱のメリットは大きいのだ。  だが日本では、内断熱が圧倒的に多く、次世代省エネ建築にすら顔を出し、断熱材の厚さまで数値化されている。建設省では、内断熱の場合、断熱材を切り張りするため、木部やコンクリート部分がヒートブリッジ(熱橋ともいい、熱を伝導しやすい部分のこと)となるため、冷暖房の負荷を計算する際に、ヒートブリッジのマイナス分をおぎなうため、断熱材を厚くするよう指導している。  結露を発生させない条件の一つである断熱は、その工事・工法が正しくおこなわれてこそ効果を発揮する。契約する前にかならず建築会社につぎの点について聞いてみよう。 ①断熱の場所について、基礎、床、窓、ドア、天井、壁にしているか。 ②断熱の工法について、外断熱にしているか。 ③断熱計画の図面を契約前にちゃんと見せてくれるか。  以上3点について、しっかりとした回答をその理由とともに話してくれたら、まずはひと安心だ。

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