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ISOによる住まい管理

2018年4月19日「木曜日」更新の日記

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 あなたの健康を守り、資産を守り、環境にも負荷を与えない家、それをエコハウスと定義したい。  このエコハウスは、①あらかじめ耐久性を高くもたせ、②高耐久性を実現するために結露防止をする。③結露を防止するために断熱・気密工事をして、④全館暖房・計画換気によって温度・湿度を管理し、空気を新鮮にする。⑤そのうえでメンテナンス可能な住宅とする(①~⑤を実現するためには設計段階が重要となる)。⑥これによって長命住宅が実現し、本当の意味での「省エネルギー」が実現する。⑦長命住宅だからこそ住宅資産価値が高まり、⑧中古住宅の価値が認められるため、安心して住み替えもできる(①~⑧を実現するために情報管理が必要なのだ)。  さらに、各住宅ごとの情報管理とは別に必要なのがISO(国際標準化機構)の想定である。  これはあなたのパートナーである住宅会社がいかに情報管理をきちんとおこない、社内的に業務が標準化されているか、業務の品質がレベル高く保たれているかを確認できる認証制度だ。  なかでもIS09001は、開発、設計、製造、据付および付帯サービス、そして最終検査・試験といったすべての業務について、品質を保証する認証制度である。このIS09001を取得している企業は徹底された文書管理によって、いつ・誰が・どこで・何を・どのようにするかが明確になっている。つまり、責任と権限がはっきりして、業務にたずさわる社員が自分のやるべきことを明確に自覚しているということだ。  文書化することで、作業工程がマニュアル化されるだけでなく、作業のプロセスや結果なども記録されていく。これによって、担当者が代わっても混乱することなく、あなたは均一なサービスを受けられるのだ。  パートナーとしての住宅会社があなたの家の情報管理をしていることは当然だが、IS09001を取得していればさらに安心できる。  ただその安心は、あくまでも「業務」の品質についてであって、住宅そのものについてはこれより前の段階(①~⑧)をしっかりチェックしておく必要がある。  長命住宅としての品質はISOではカバーできていない。しかし、長命住宅を支える一つの要素としてISOが条件なのは間違いない。というのも、ISOの思想の一つに事業継承があるからだ。  たとえすぐれた経営者によって長命住宅が実現されていたとしても、その経営者が交代するときに問題が生じるケースが多い。経営者が代わろうが担当社員が代わろうが、次々と後継者に受け継がれ、これによって均一な対応力・サービスが期待できるのもISOの特徴である。  さらなるISOのメリットは、企業としてのビジョンがはっきりすることであり、得意分野でのオンリーワン企業を目指す契機にもなることである。住宅そのものとしての品質、会社の業務としての品質の両者において、すぐれた会社をぜひパートナーに選ぶべきだろう。  今回私がこの本を杳くにあたって参考にさせていただいた埼玉県川口市のナカジマホーム株式会社社長の松岡氏は、「長命住宅をつくるときにはお客様の理解が必要です。私たちは今まで生活者の視点で家づくりをしてきましたし、これからもそうしていきます。ただ私たちはプ ロとしてお客様の家づくりをサポートする立場であり、主役はお客様です。そのお客様にいかに役に立つ組織であるかを考えますとISOというのは最低限必要なのではないでしょうか。 プロとして良い家をつくるのは当然ですし、プロとして業務のレベルを向上させ、お客様の満足と信頼を得ることは重要です。そういう意味では私たちはあたりまえのことをしているだけです」と語ってくれた。  この「生活者の視点」に立ち、プロとしてサポートする姿勢が日本の住宅業界に欠けていた。「生活者の視点」で考えれば、当然本物で美しく価値ある住宅が欲しい。「プロとしてのサポート」についても、当然私たちは望んでいる。社長が代わったり、担当者が代わっても、建築してもらった会社と安心してつきあっていきたい。それが多くの場合できなかった過去に別れを告げたい。  精神的にも経済的にも、安心して長くつきあえる住宅会社を私たちは望んでいる。  こうした良質な家づくりに対して、思いを同じくする住宅会社を組織化したのが「エコハウス研究会」である。研究会では、自主使用禁止項目や標準仕様項目を定め、エコハウスの実現と提供に向けて動きだしている。

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