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アウトドア感覚を楽しむ家

2018年5月12日「土曜日」更新の日記

2018-05-12の日記のIMAGE
 窓には、採光、通風、外の景色を見るなどの役割があり、これらすべてを窓で満たすには、たくさんの窓とかなり広い敷地が必要です。  広さが望めない過密地域では、窓の機能によって使い分けると効果があります。たとえば、換気用であれば、小さな窓を対角線上に2つもってきます。光を入れるためには、窓を高い位置にします。窓から空を眺められるのはいい気分だし、隣家の存在が気になりません。低い位置につける地窓は、目線が地面や植えこみに向けられ、やはり隣家が気になりません。  窓は南側に大きく、というのが常識ですが、この常識をかえてしまったお宅があります。東京都杉並区にお住まいの安藤敬子さんです。  安藤さんのお宅では、リビングルームも食堂も北側にあります。 その理由は2つあります。  まず、敬子さんが茶人だということが一番めです。茶室につづく水屋もありますし、キッチンに隣接する納戸には、茶懐石用の食器がぎっしりつまっています。そして、北側には、広い庭があり。茶花が植えられています。リビングや食堂の窓は、庭を見るために大きくとられています。  「ひまわりが、こちらを向いて咲くんですよ」と敬子さん。いかにも茶人らしい、この発想には教えられるものがありました。平凡に日当たりのことだけを考えて、庭を南側につくったら、花は太陽に向かって、つまり南に正面を向けますから、ひまわりをうしろから見ることになります。 その他の草花でも同じことです。  それから、敬子さんがデンマーク刺しゅうの趣味をおもちだということが2番めの理由です。北側の窓からはいる光は、直射日光にくらべ、やわらかく変化が少ない光といえます。画家は北側にアトリエをもってくるといいます。刺しゅうのこまかい作業がしやすいように、窓は意識的に北側にとったのです。やわらかな一定した光で、目の疲れがかなりちがうそうです。  食堂からテラスに出られます。ここにもテーブルがおいてあるので、日曜日の朝食や、友人との午後のお茶を楽しんだり、夏の夜ならバーベキューをしたり、ビアガーデンにもなります。  室外での食事は、開放的で非日常的。室内ではえられない快適さが満喫できます。  都会のマンションなどでも、ベランダは洗濯ものを干すだけの場ではなく、イスをおいて夕涼みの場にしましょう。住まいを開放的にして外界とつなげると、狭さの解消にもなるし、自然を肌で感じることができます。

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