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冬の扇風機の活用法

2018年5月21日「月曜日」更新の日記

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 扇風機は夏のもの、と思っていませんか。じつは、冬にも活躍する場があるのです。  ストーブをつけていると、天井面に近いほどあたたかい空気がたまり、床面に近いほど冷たい空気がたまります。顔はほてるように熱いのに、足元は冷える、ということになります。  そこで扇風機の出番です。扇風機をストーブに背を向けて、できるだけ壁面の上のほうに向けて風を送ります。天井によどんでいるあたたかい空気が、扇風機の風におされて、天井面から壁にそって床面までおりてきます。そのくりかえしで室内の空気を攪拌するので、しばらくすると室内が均一になり、顔のほてりがなくなり、足元もあたたかくなります。  もうひとつの扇風機の活躍の場は、結露対策です。使い方の前に、結露を説明しましょう。  夏に冷たいビールをガラスのコップに入れると、乾いていたコップの外側に水滴がつき、ガラスがくもってきます。この水滴が結露です。あたたかい空気のなかに含まれる水蒸気が、冷たいものの表面にふれて水滴になるのです。  冬の住まいで、部分的に温度が低くなる室内のガラス窓や北側の壁面、押し入れなどにおこりやすい結露は、そのまま放っておくと壁面にカビが出てきて、ひどいときには建物を傷める原因になります。この結露を防ぐには、換気をまめに行うことはもちろんですが、水蒸気の発生をおさえることが重要です。クリーンヒーターなら問題はないのですが、ふつうのストーブは、つい、やかんやなべなどを上におきたくなります。灯油を1リットル燃やすと、1リットルの水蒸気が発生するといわれます。  そして、とくに結露しやすいのは北側の壁面です。昼にあたためられた部屋の空気が、夜に冷やされます。もっとも温度差の大きいのが北側の壁で、そこにめったに使わない部屋や押し入れなどがあると、空気は動かずによどんでいるので、結露製造所になってしまうのです。  北側の壁面には押し入れをつくらないのが原則ですが、どうしてもつくらざるをえないときは、風を送ってあげる必要があります。  そこで扇風機の出番です。引き違いの押し入れの戸2枚をまん中に寄せて、片側から風を送ります。送った風は反対側から出てきます。風をつくることによって、よどんだ空気を攪拌し、結露をつくりにくくします。この方法はいちばんかんたんな方法ですが、効果的な方法なのです。  Hさんの場合は、納戸が結露製造所だったのですが、この方法を教えてさしあげたら、いまではすっかり扇風機のファンになって、納戸、押し入れはもちろんのこと、食器戸棚や台所の吊り戸棚、ソファと壁のすきま、浴室と、扇風機をフル回転させています。  冬のお天気のよい日なら、家中の窓という窓、ドア、ダンスの扉のみならず、床下収納庫まで開放して、家のなかではコートを着ているそうです。 結露のあとしまつよりも、ずっと楽ですから。  冬の扇風機、試してみませんか。

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