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地震に強い家

2018年5月24日「木曜日」更新の日記

2018-05-24の日記のIMAGE
 阪神大震災の被災者から学ぶ「わが家の防災実行マニュアル」(商品科学研究所)によると、建物被害は全壌が10万戸、半壊が11万戸の計21万戸だったそうです。  木造住宅では、 ①壁の量が少ないか、かたよっている ②筋かいがないか、少ない、・土ぶきのカワラ屋根で重い ③老朽化、白アリ被害、腐食などの特徴がみられた と報告されています。  ①部屋に窓などをたくさんとるために、開口部が多くなり、構造上弱くなります。かたよっているというのは、パランスがとれていないことです。 形でいうと、1階の中心上に2階があれば、バランスのとれた家になります。総2階もバランスがとれた家ですが、1階に開口部をたくさんとった大きな部屋が多い家で、2階がこまかく仕切られている頭でっかちの家は、バランスがよくありません。1階に車庫や店舗があり、間仕切りがあまりない家も、かたよっているといえましょう。  ②筋かいのある壁は耐力壁ですが、1階と2階の耐力壁を上下につなげることがたいせつです。 せっかく筋かいをつけても、1階と2階がパラパラでは、あまり強いとはいえません。①も②も、壁の配置をバランスよく、ということでしょう。 1階に個室をもってきて、2階にリビングルームなど広い空間を設けた逆転プランは、バランスのよい家といえます。  ③近ごろではあまり見られませんが、瓦をとめるのに、以前は土を使用していました。瓦だけでも重い材料なのに、土で屋根はより重くなり、不安定になります。  ④木材は白アリの被害にあったり、腐ったりすると極端に強度が弱くなります。土台や、柱の床面より下にあたるところは、目につかないために要注意です。湿気の多いところ、浴室や洗面室、トイレの土台まわりは、とくに注意が必要です。 床下の換気をよくするために、基礎を高くしたり、床下通気孔をじゅうぷんにとります。防湿コンクリートを全面的に打つのもよい方法です。せっかく床下通気孔をつけても、通気孔の前に花壇をつくって湿気を入れこんだり、プランターボックスをおいてふさいでしまっては、なんにもなりません。また、白アリ駆除剤を多用する方法は、白アリが駆除できても、住んでいる人の皮膚がかぶれ、気管がやられるという人体への影響も出ていますので、ほどほどにして、白アリがあまり好まないヒノキやヒバを土台や柱に使用しましょう。  自己診断に不安がある場合は、地方自治体の建築指導部に相談すると、資料をくれたり、専門家を紹介してくれます。自治体によっては、耐震診断に助成しているところもあります。新耐震設計基準が施行された1981年6月1日以前の建物は、とくに要チェックです。  家具の置き方にも注意しましょう。阪神大震災の家具の被害は、本棚や食器棚に多く、転倒は寝室、散乱はキッチンでひどかったそうです。ガラスや陶器のこわれも目立ち、飛散防止のたいせつさがわかります。家具は納戸や家具室に、と提案しています。寝室にはベッドより高い家具をおかないか、天井面までの造りつけにしたほうがよいのです。収納棚の上にモノをおきすぎるのはやめ、間仕切り家具など床においただけのものはすぐ倒れるので、しっかりと固定する必要があります。

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