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雪は先生である

2018年9月2日「日曜日」更新の日記

2018-09-02の日記のIMAGE
<温暖な千葉に「招かざる客」――忍耐をもって早急・適切な対応を>近年では珍しく、千柴の里に大雪が降った。1月末は大寒であるから雪が降ってもおかしくないが、大雪となると話は別。例年なら降雪から2、3日もすると雪が融けたのに、今回のは9日経ってもまだ道路わきに氷の固まりが残った。特にビルの北側にある逆路や、陽当たりの悪い駐車場に残っていて、うっかりすると氷に足をとられて滑ったり、車のブレーキが効かなかったりする。この招かざる客は、台風と同じで当たり前のように時々やって来て、当たり前のように去っていくが、社会に影響を与えると同時に、私達不動産業者に与える影響も大きく、色々なトラブルと教訓を残していく。温暖なエリアにある千葉県人には、雪は単なる珍客でしかないが、雪国で育った者からみると、対物観念はまるでちがう。雪は抵抗してもしきれない巨大な怪物であり、現代では不要となった頼りない宗教と同じであり、ひたすら従順と忍耐を教えてくれる冷たい先生でもある。それ故、雪で鍛えられた心に、覇気と実行力を備えれば有能な企業人となれる。というのは、事業で成功するには、儲けるより失敗しないコツを覚える方が大切だからである。というわけで、大雪が降ったらその場で手を打たなければならないことが、幾つかある。まず、店の前の雪を道路の端にかき集める。そうしないと、次の日太陽に照らされた雪は融けて固まるので、除去しにくくなり、かつ雪の上は滑りやすく歩けなくなる。駐車場の出入口が少しスロープになっている場合も同じで、タイヤが滑ってしまう。もっと恐いのはビルやアパートの階段で、北側に面している階段は凍結したアイスバーンとなり、危険きわまりない。だから、雪が降ったその日に、これらの場所の雪は早目に雪かきしておくのが賢明である。とはいっても、雪は勝手に一気に降ってくるので、何十ヵ所も管理している側は勝手がちかって困るのであるが、そこは辛抱…。雪という先生に反抗しても、無駄。また、建売や分譲地では陽当たりの悪い部分に雪がたまって、物件の欠点をモロにさらけ出すので、早目に雪を移動する。もちろん、寒いところを気の毒だが、人力でやるしかない。このように純白の雪は美しいと同時に邪魔物でもあるが、そこはそれ、災いを転じて福となすの諺どおり、白い心でまじめに対応するしかないようである。日本人の美しい心は、桜や紅葉だけでなく、雪でも磨かれている。

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