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決算期に思うこと

2018年9月6日「木曜日」更新の日記

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<汗と涙、闘志と研鑚の足跡――黒字目標も、多忙な3月に重い負担>不動産業者にとって3月は特別な時期であり、賃貸シーズンのまっさかりであると同時に、3月末で決算をする会社も多い。普段の3倍以上も忙しい時に、何故決算まで背負いこまなければならないのかとうらめしくなるが、最近では決算を暇な時期にずらしている法人も少なくない。決算は難しいというより、わずらわしい。まちがいや勘違いは許されないし、細々とした仕分けが多くて、過度に正確性が要求される。いつも思うことだが、私達業者にとって税務署ほどおそろしい所はない。警察なら悪い事さえしなければおお威張りでいられるが、税務署員には悪い事をしていなくてもおどおどする。解らないことや証明できないことがあると、すべて灰色どころか黒として扱われるからである。一例として、領収書をなくしたら疑われて大変である。私達業者が会社の決算処理に使う労力は、1年で何百時間にもなる。まじめな考えで毎年国の徴税のために協力しているのであるが、懸命に働いた上に使う労力であるから、営業労力をそぐことこの上なく、決算などなければもっと業績を上げてもっと多く納税できるのに、と思うこともある。が、一国の制度は時代的なもの。せめて、毎年決算でなくて、3年に一度という制度ができないものか。規制緩和や民間主導が呼ばれている世の中だし…。私の知人の同業者を見ても、3月を決算月にしている人もいるし、税理士に頼まないで自分で申告している人もいる。私達のような中小業者は株の公開をしていないので、損益計算書や貸借対照表はあまり役に立たない。銀行以外は誰に見せるわけでもなく、苦労して作ったわりには倉庫にポイとしまっておく。「今年も頑張って黒字にできたよ」と友人が二コニコ顔で言う。誇らしい素振りさえする。――不景気で利潤も上がらないのによくやったね――と私も心の中で感心する。最近は不動産業も地道な正業に変わってきているが、会社で働き会社を支えている私達にとっては、黒字決算は生きがいでもあり目標でもある。マネーゲームをやっている人は別にして、この決算という箱の中に、私達の汗と涙があり、闘志と研鑚の足跡を残し、誇らしい人格まで詰め込んでいる。成長のない世の中では、経費を減らしたりスリム化したりで堅苦しくなるが、業界の売上げが増えればなあ、と自分の事は棚にあげて、寒空を見上げる春の鳥なのである。

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