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桜をめでれば売上も上がる

2018年9月8日「土曜日」更新の日記

2018-09-08の日記のIMAGE
<身近な話題で話を"咲かす"――警戒心がほぐれて物件が決まることも>日本の象徴である桜の花は、パッと咲いてサッと散る潔い花として有名。その華艇さと思い切りの良さは、武士道の心にマッチするものとして、昔から愛されてきた。その点南国の花として色彩に優れたランの花は、なかなか咲かないし、大きく咲いたと思うと、いつまでも散ろうとしない。ねばり強いともいえるし、生命力に溢れた花ともいえる。と言うのは、花と産地の人間の顔をスライドして考えるからで、南国の愛に"好きだけど別れましよう"というひねくれた歌はないからである。さて、その桜の花であるが、いよいよ今年も花見の季節がやってきた。大木をおおって咲く花は世界には少しあるが、花の名所の観光地となれば、桜の右に出るものはない。無粋な私は若い頃は車中からの花見しかしなかったが、50を過ぎてからは桜見物を楽しんでいる。山奥で草木と共に育った私も、少しゆとりが出てきたともいえる。むろん、花鑑賞は一人ではない。同年輩の家主さんと一緒である。行き先も家主さんの意向に従い、近い所では船橋の海老川沿いや中山競馬場、印西や鹿野山の牧場にも行く。「角舘の武家屋敷はいいね。山形城趾も見事だった。京都の桜は、華麗だね」「一本桜でいえば、三春や身延山のしだれ桜だねえ」、と春がくるたびに家主さんと話す。親しくしていると家賃の条件でお願いした時にうまくいくし、時には売り物件を頼まれることもある。私の事務所では気分転換と目の保養を兼ねて、年に一度は桜並木の横に座り、昼食会を開く。もちろん、口に入れるのは出店のタンゴやタイ焼きやイカの照り焼き。川面に落ちる花ビラを見ながらの食事は、格別の味であり、風情もある。そして、事務所に戻って部屋探しのお客様と開花の話をしたり、故郷の桜の話をする。話題が身近になれば、お客様の警戒心もゆるみ、話が咲いて物件を決めてくれる人も多い。花を楽しみ、かつ儲ける。まさに両手に花で、タンゴどころの話ではない。その4月は入学・入社のシーズンであるが、少子化の今日、1Kを借りる人も少なくなった。不況のせいもあるだろうが、少子化と1日2200人も減る人口減少は、意外な展開もしそうである。それにしても、今年の冬は寒かった。桜はまだかいな?風邪をひいておくれなければよいが…。桜前線を気にしながら花の便りを気にする私の心は、桜を見る前からワクワクしてしまうのである。

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