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たった一つの金メダル

2018年9月10日「月曜日」更新の日記

2018-09-10の日記のIMAGE
<不動産業を「一番良い業界」に――知恵と勇気、克己心で地位向上を>誰でも優勝をめざして競技をする。同じように、誰でも利益を出して黒字にするために会社を経営する。オリンピックは速さと技を競う競技であるが、メダルをとることは難しい。たとえ休まず練習を重ねて努力し、技を磨いて精進しながら自己管理をして頂点をきわめても、運がなければメダルはとれない。まして甘い見通しと非科学的な練習をしながら精神論をぶっていても、惨敗に終わるだけである。今回のトリノ五輪では日本国民の期待を裏ぎり、選手団は弱さを露呈し総くずれとなった。苦戦の感想を聞いても、甘い言葉と幼稚さだけが目立ち、戦士の心構えは見られなかった。おそらく、しっかりした自党のもとにきびしい練習はしていなかったのだろう。甘い体質は失敗を招く。これはどの業界でも同じで、不動産業も例外ではない。「ああ、もうだめか」とあきらめていたところに、荒川選手の金メダル獲得である。最高の舞台で、しびれるほどの快挙である。別に同窓の後輩だから持ち上げるわけではないが、沈みかけた日本を彼女一人が救ったようなもの。それも、たった一つの金メダルである。荒川選手を祝福すると共に、ありかとうと言いたい。そこで思ったことであるが、私達不動産業界は、幾多の業種の中で金メダルを獲れるであろうか。日本の社会の中で、すべての業界の中で一番になれるだろうか。あるいは一番になるための努力を積極的にやっているだろうか。何か途方もないことを言うようで悪いのだが、不動産業に生涯をかける者として、つい心配になってしまう。どうせ好きで不動産業をやっているのなら、一番良い業界にした方が良いというのが私の持論である。社会における私達業界の地位はずいぶん向上したと思うが、トップクラスにするには知恵が必要だと思う。勇気も克己心も要求される。例えば業界内での反社会的行為者は、見つけ出してしめ出す必要がある。会員増強と抵触はするが、姿勢は正さねばならない。また業界全体が福祉活動に関わることも重要である。そして地道に貢献した者に業界が表彰を行い、良識のある人を育てること。このようなことを積極的にやることにより、内部を充実させ外部からの知名度と信用をあげることができる。今まで役員の方々が業界の発展に寄与されているが、少し発想を変えて日常業務の貢献者を探してはどうだろうか。いかがだろうか。オリンピックを観戦しながら、神妙に思ったことである。(「週刊住宅」2006年4月10日号掲載)87

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