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孫子の兵法は通用するのか

2018年9月11日「火曜日」更新の日記

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<小さい業者も勝つ手はある――「彼を知り己を知る」心構えで>最近の数年間はハイテクの時代となり、新しい知恵や対処法がないとうまく対応できないが、かといってこれといった理論もない。どうやったら仕事や商売の心構えが持てるのか、と苦しむのだが、私達のような高齢者が知恵を出せないのだから、世の中混乱するのは当たり前である――ということを認識しつつ自分の経験歴を顧みると、ある面で"孫子の考え方"はずいぶん役立った。もちろん、2300年くらい前の春秋時代の兵法家だが、その現実的分析と合理的思考は、今の私達の仕事に応用できる。仕事場は戦場であり、成功するのは命がけと考える。ところが今の時代は女性や弱者が主体になり、安定した格差縮小を望む。それはそれで結構だが、実はそこに落とし穴があって、グローバル化する国際競争の世界では、確実に競争に負け、個人の質も劣化する。千葉県は人口急増地域で年々人が増えるが、それなりに業者の競争も激しい。同業者同士88仲良くするのも結構だが、見知らぬ敵はどこからでもやってくる。その時"彼を知り己(おのれ)を知れば、百戦して殆(あや)うからず"の戦法がピタリとあてはまる。相手の長所と短所を探り、自分の長所と短所をわきまえる。自分の長所を発揮して相手の短所を上まわれば戦い、自分の長所で負ける場合は戦わない。つまり戦う分岐点をどこにおくか、自分が勝つにはどうすればよいかを孫子は教えてくれる。小さい業者なら、小さいなりに勝つ方法はあるのである。会社を守るための打つ手(長所)は何かを考え、相手の短所を攻めて秘策を練る。いつもこのような心構えで対処すれば、百戦しても失敗はしないのである。ということは、いつも謙虚であらねばならない。その点、千葉県人の風土は穏やかであり、鼻持ちならない風土とは違う。この点を孫子は"善く守る者は九地の下に蔵(かく)れ、善く改むる者は九天の上に動く"と説いている。私は若い頃から"風林火山"が好きで、千葉県内を走り廻っているとき口ずさんだものだが、4日も連休が続くと遠方に富士山が見える。まわりに家が立ちつくして、風も林もなくなってしまったが、山がある山梨県がうらやましくなることもある。不景気で苦しい時代にのんびりしたことを言っては申し訳ないが、私達は食べるために仕事をし、成績を上げるために努力をする。孫子の時代から数えて二千数百年、昔も今も変わらない。だが働く中にも少しは文学や哲学があってもいいではないか。私は一人つぶやくのである。

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