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変動の原則

2018年12月13日「木曜日」更新の日記

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時間は常に流れるものであり、何者もその影響から逃れることはできません。不動産の価格も、その形成要因の変化に伴い変動します。購入した時点の状況が未来永劫変わらないということはあり得ません。大きいところで言うと日本全体の人口動態、小さいところで言うと建設当時最先端だったデザインのマンションが現在時点では古くさいものになってしまうことなど、あらゆる価格形成要因に変動の原則が適用されます。そのため、現在時点の不動産価格を知りたい場合、今現在の情報だけではなく、将来どうなるのかまで考慮に入れなく。てはいけません。「需要の高い立地と思って購入したのに、8年経ったら不人気立地になっwていた」という事態だって起こりえます。「とはいえ、現在手に入り得る情報しか頼りにできないため、将来を予測する作業は大変な困難を伴いますが、各分野の専門家が将来予測を公表していることが多いので、参考にするといいでしょう。ここで重要なのは、手に入れることのできる将来予測は網羅すべきであり、かつ、現在最も支持を受けている説を重要視することです。その理由は次の予測の原則で説明します。予測の原則』財の値段は需要と供給の原則によって決定しますが、需要と供給はその財が将来どうなるのかという予測によって影響を受けるので、財の価格は将来に対する予測を反映することになります。原油価格を例に取ると、産油国付近で戦争が起き生産量が減りそうだとの予測が支配的になれば、いくら現在時点で生産量が健全であっても価格は高騰します(需要>供給)。逆に、世界経済が減速して工場稼働率が下がりそうだとの予測が支配的なれば価格は下落していきます。このように、現在の価格は市場参加者の予測を織り込んで形成されています。注意すべき点は、「将来」ではなく、将来に対する「市場参加者の予測」が反映されているということです。必ずしも市場で支配的な将来予測が実現するわけではありません。ただ、市場参加者の多くが「そうなるだろう」と信じればその通りの価格になるのです。そのため、不動産の価格を評価する場合は、少なくとも現在時点で最有力な将来予測くらいは把握しておく必要があるのです。

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