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遺留分が事業承継の障害に?1

2018年12月24日「月曜日」更新の日記

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このような遺留分制度は、通常は、遺族の生活保障として有効に機能しています。ただし、事業承継を行う場合には、遺留分制度がある種の障害となってしまうことがあります。「問題点は、遺留分を行使する場合、財産の評価時点が相続開始時(被相続人が亡くなった時点)とされ、しかも、共同相続人に対する贈与の場合、特に期間制限なく過去のものにさかのぼって遺留分減殺請求の対象になるということです。設例の「W」の例に戻って考えてみましょう。経営者のAは、子Cの経営センスを見込んでCを後継者と決めました。Aは、自分がもつ工場の株式850株と不動産を全部Cに譲渡し、経営のすべてを任せたとします。そして、妻B、子Dおよび工場長Eも特に譲渡に文句をいうわけでもなく、従業員全員が一丸となり、新しく代表取締役に就任したCの指示のもと、20年間、経営努力を重ねたとします。Cの経営手腕は抜群で、Cによる新しいヒット製品開発や経営戦略により、「W」は急成長し、20年後、なんと東京証券取引所の1部に上場したとします。資本金1000万円でスタートした工場は、現在では資本金を10億円に増資し、だれもが知る製菓メーカーに成長しました。

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