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マンション所有者の年齢と資産状況

2019年1月8日「火曜日」更新の日記

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住む人の年齢や収入と住居の関係について、これまで「住宅双六」として語られてきました。親と暮らした家が「振り出し」です。定位家族を離れ、都会に出て暮らします。まず、20代で独身の頃には、一間の「木造賃貸アパート」に住みます。次に、結婚して2間の「木造賃貸アパート」に移ります。子供が生まれたら賃貸または分譲「マンション」に移って子育てをします。そして子供が成長して中学生くらいになったら「戸建て住宅」を購入する、というのが住宅双6です。戸建て住宅を購入して「上がり」という訳です。近ごろでは「上がり」に変化がみられ、戸建て派とマンション派に分かれるようです。マンション派のマンション購入状況をみてみましょう。次に掲げる例は、昨年公表された資料から売買事例をひろったものです。購入者の年齢層は、35歳40歳と想定してよいと思います。マンションは、ほとんど3LDK、専有面積が70平方メートル前後です。また、ローンは毎月十万円前後、期間30年というところです。さて、マンションの物理的耐用年数を40年と仮定しましょう。建築後40年で建て替え決議のための集会を開催することとします、集会に参加する区分所有行の年齢は75歳から80歳となります、3LDKのマンションでは、世代継承ができませんから核家族です。マンション購入者世帯が、そのまま集会に参加することになります。現役引退して久しい人々が、自分たちが住めるかどうか定かでない、さらに40年~50年耐用の建物の建築を望むとは思われません。また、建設資金を調達できる余裕はありません。現役引退までに蓄えた流動資産は長年月にわたり費消してきています。手持ち流動資産が少なく、ローンを組むこともできません。日本住宅公団(現在の都市基盤整備公団)が分譲した大規模団地では、管理組合の活動も健全で、建物の維持・管理が比較的良好といわれています。しかし、公団の分譲団地においても、居住者の高齢化のあおりで多くの問題が起きています。居住者の高齢化による収入の減少や不況による経済的破綻により管理費の滞納が増加しています。管理費だけではありません。修繕積立金の不足から、階段の昇り降りが不自由な高齢者のための手すりの取り付けさえできない状態になっているのです。生活の立て直しのためマンションを売って、家賃・生活費の安いところに転居しようと考えます。しかし、郊外の中古団地の値段はとても安くなっているのです。買い手もいないし、転居のために必要な差額がでません。進退極まる状況となります。識者は、これから郊外の団地のスラム化か急速に進むのではないかと考えているのです。

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