へやみけ

トップ > 元年3月> 23日

性能規定ってどんなこと?

2019年3月23日「土曜日」更新の日記

2019-03-23の日記のIMAGE
" 平成11年ごろからにわかにマスコミに取り上げられてきた新しい言葉です。ちなみに今までの建築基準法はほとんどが、あれを使いなさい、これを使いなさいの、いわば決められたカタログのなかから選択する「仕様規定」でした。それを、これこれの防火性能を有するものだったらどんなものでもいいよ、とか、この程度の遮膏性能なら自分で考えたものだっていいよというように「性能規定化」しようというものです。つまり、製品にする前の基準だけ決めておいて後の選択は、性能に合いさえすれば何でも自由にしていいよということなのです。  一見自由になったように見えますが、ほんとうにそうなのでしょうか。たとえば、今までの既成概念にとらわれないひとつの材料を選択したとします。それを現場で使用するには決められた性能を有する必要があり、それが証明されなければなりません。当然検査機関に実験データをつくってもらうわけですが、一設計者や町場の小さな工務店ではなかなかできるものではありません。  それによく考えてみて下さい。これって各メーカーの専門集団が新製品を開発しているのと似ていませんか。 たしかに、建築家や現場が出したアイデアが実って商品ができ上がった例はいくつもありますが、それはメーカーのバックアップあってのことなのです。  規制緩和で輸入を拡大し海外の建築資本が日本へ流れ込みやすくするための政策だといわれたり、性能規定を取り入れることができる企業は、つくった住まい全体を何段階か上にランキング評価できるので、こうした差別化を図るための零細企業泣かせの、いやいや天下り機関増設の政策だなどともいわれています。  また、性能規定で仕事ができるところは大手住宅メーカーか大手建設会社だけだろうともいわれており、他は「みなし仕様」という評価の低い設計や施工会社に甘んじなければならないともいわれています。かゆいところに手が届くような小まわりの利く人たちをますます厳しくするような、そんな攻策でないことを望みます。"

このページの先頭へ