へやみけ

トップ > 元年3月> 26日

性能をお金で買うナンセンス

2019年3月26日「火曜日」更新の日記

2019-03-26の日記のIMAGE
" 設計図書に書き込むためにカタログを引っ張り出したり、住宅雑誌をパラパラめくっていると、よくもまあこれだけの製品が世のなかにあふれているものだと感心したり驚いたりあきれたりします。  人知れず消えてしまい、補修に使いたくても、メーカーも販売店も倒産していたなどという笑えない話もありますが、それにしてもどこまで行くのでしょうか。自然を科学するのにあきたらず化学までをも科学してしまい、その結果、副作用ともいえる人類史上かつてなかったさまざまな疾病、シックハウス、シックビル、化学物質過敏症などを生み出し、これらはひとまとめでくくられてはいますが、その内容は複雑です。メーカー側は社会問題が大きくなると、いつの間にか「ノンホルム」などと称してまたぞろ新製品を開発し、鳴物入りで発表していますが、過去に売りつづけてきた製品の犯した疾病障害は因果関係が不明瞭だとして貴任をとった例はありません。いくら選択するユーザー側にも責任があるとはいえ、それを実験する器具すら持ち合わせないユーザーにはメーカーの言葉を信じるしかありません。  品確法の「空気環境」で、こうした化学物質に対して一定の基準を設けたことは評価に値しますが、結局「性能規定」で余分なお金を払って、これを選択したお客様にしか特権がないような状況になっています。「構造安全基準」などのようにスタンダードがあって、上の等級を選択し、お金をかければよくなるというのは当然のことなので仕方がありません。しかし、この「空気環境」は上の等級を選択し、お金をかければよくなるというのは同じでも、何も選択しないと知らないところでスタンダードが勝手に決められて等級が下げられてしまう危険性をはらんでいるという点では不安があります。こうした分野にこそ行政の介入が必要なのではないでしょうか。"

このページの先頭へ