「エコ」は、流行ではすまされない
2019年3月27日「水曜日」更新の日記
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- " いま、社会的にも多くの話題を集め、さまざまな産業分野を代表する各大手企業が第一優先事項として取り組んでいる「エコ」。
その最先端をいく自動車業界ではハイブリッドカーと称するエコカーが、多く市場に出はじめています。21世紀に向けて、一つの社会的ニーズの現れかと思います。
この問題は地球規模で取り組んでいかなければならない問題である以上、家も例外ではありません。
現在のエネルギー消費量の割合からしますと、産業・運輸部門ベースに使用、消費されるエネルギーの総量はここ数年あまり変動していません。言い換えればこの部門における消費量の削減をはかることは困難だということです。
一方で、消費量の仲びている分野は、もっぱら、家庭内で消費されるエネルギーです。
家庭電化製品の普及がまんべんなくゆきとどいている現代社会において、各家庭で消費されている電力は膨大な量となっています。とりわけ、一般家庭へのエアコンの普及が伸びたあたりから、無視できない数値となっているのです。
オイルショック時に策定されて以来、12年以上大きな改正のなかった省エネルギー法の、住宅における指針基準値が、ここ数年の間に2度も変えられたのもこのことが背景にあるからです。
いまわたしたちにできることは、少しでも省エネルギーの住宅を求めることではないでしょうか。
高度に発展した現代文明をいまさら後戻りすることは不可能である以上、少しでも消費量の少なくてもすむ家に住むという考え方をもつ必要があると思います。
また、考えなくてはならない「エコ」への配慮は、エネルギー消費量だけではありません。
日本の住宅は、木造建築がそのほとんどを占めています。日本は、いわずと知れた木材の大量消費国です。しかし、この木材の大量消費は、やはりそのまま自然破壊であり、環境に影響を与えていることは事実です。他方で、木材を必要とすることは、日本人にとって「文化」から発生していることであり、きわめて重要な要素であることは言わずもがなのことです。
では、どうすればよいのでしょうか。植林を盛んに事業化することはもちろんですが、それは個人個人で行うこととは違います。わたしたち個々のレベルでできることは、少しでも寿命の長い住宅を選択し、短期間の使い捨て発想から脱却することです。20年で建て替えの寿命がきてしまう住宅など選択せずに、50年から100年という長期のサイクルで考えることのできる住宅を選ぶことです。
寿命の長い家を選択すると、産業廃棄物の発生率を下げることも可能になります。家は、解体するとすべて産業廃棄物扱いになります。住宅の寿命を延ばす、つまり長く使用できる樞体にすることで解体を先延ばしすることができ、イコール産業廃棄物の発生率と総発生量を減少させることができるのです。
「100年住宅」はオーバーかもしれませんが、欧米ではそれくらいの住宅寿命は当たり前になっています。日本が異常なのです。このことをしっかりと認識し、賢い消費者となることが必要です。
エネルギー消費量の問題や、森林伐採の問題をうまく解決していくと、二酸化炭素(温室効果ガス)の削減問題もうまく対処できることは言うまでもありません。
日本は、世界の国々に対し1998年に京都で行われた地球温暖化防止サミットの席上で、2010年までに温室効果ガス排出量を1990年対比で6%削減すると約束しました。
わたしたちみんなに関係のある問題なのです。知らなくてよい問題ではありません。わたしたちと、わたしたちの子供たちのために、しなくてはならない選択なのです。"
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