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「家の衣替え」という考え方

2019年3月28日「木曜日」更新の日記

2019-03-28の日記のIMAGE
" 四季の変化に恵まれるわが国には、衣替えという風習があります。  衣替えは、季節に応じた衣服を身にまとうことによってしか、暑さや寒さをしのぐ手段をもたなかった古人が生み出した生活習慣なのです。  しかし、最近はどこへ行っても冷暖房が効いていて、冬でも半袖、夏は涼しすぎてカーディガンをはおるという不自然な暮らしが定着してしまいました。  空調に頼る高気密、高断熱の家が人工的な気候をつくりあげ、私たちの暮らしから季節感を奪ってしまった、と指摘されますが、その通りだと思います。私たちの日常において、季節の到来を肌で感じることが最近めっきり減ってしまったような気がします。  洋服にしても、スリーシーズン着られるものが重宝がられるご時世です。しかし、寒くなれば厚着をし、暑くなれば薄着になるというのがごく当たり前の人間の生活というものではないでしょうか。  さて、前置きが長くなりましたが、家にも衣替えができるのをご存じですか。びっくりなさるかもしれませんが、理屈は簡単。空気が流れる躯体内空間を衣服にたとえてみればわかりやすいでしょう。  私たちは暑い季節には涼しい洋服を着ますね。同じように躯休内の空気を冷たくしてあげれば、家は涼しい服を着た状態となり、家のすみずみまで涼しさがいきわたります。逆に、寒くなると、暖かなセーターが恋しくなるのと同様に、この空気の循環を暖かくなるようにしつらえてあげればよいのです。これが住まいの衣替えのコンセプトです。  家の衣替えは、暦のうえの衣替えの時期、6月と10月ですね、にほぼ合わせておこないますが、この切り替えの役を演じるのが、建物下部に設けた床下換気口と屋根裏換気口です。つまり、季節に合わせてこのふたつの換気口を開けたり閉じたりして、躯体内の温度を調整するというわけなのです。"

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