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自然環境には恵まれている

2019年4月10日「水曜日」更新の日記

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マンションマーケットは、買い手と売り手の双方が減少することでかろうじて成り立っている。では今後はこの状況がどこかで「底打ち」して明るい兆しを見せるようになっていくのでしょうか。実はマンションの需給バランスを考える際にもうひとつ忘れてはならない切り口があります。世帯数の推移です。下のグラフは、首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉のI都3県)における人口と世帯数の伸びを示したものです。日本全体の人口の伸びをはるかに上回る勢いで、首都圏の人口は伸び、それをさらに上回るペースで世帯数はその数を増やしてきました。1世帯当たりの人口は1990年に2.73人だったものが、2009年には2.23人まで減少している、つまり世帯がどんどん分裂していることを物語っています。多くの方はこの現象について、少し年配の方ならば「田舎からどんどん若者が来たからだね」と言いますが、それは1990年くらいまでの現象で、その後の伸びは高齢者における単身者世帯の伸びに起因しています。働き盛りに郊外の一戸建てを買い、一国一城の主となって、せっせと働いてローンを返済し、定年を迎えた多くの戦中世代、団塊の世代が、今、そのお城を売って、都心のマンションを買っています。郊外の一戸建ては、自然環境には恵まれているものの、都心への交通はやはり不便があるものですし、子供も独立していくとそもそも広すぎる。庭もはじめのうちは手入れも入念に行ったものの、歳をとると腰も痛くなり、なかなかに億劫なものです。そこで、都心の高層マンションに住み替える。眺望がよくて、何しろ管理が楽です。お出かけも鍵ひとつで大丈夫ですし、都心はやはり便利です。最近のシニアはとにかく元気ですから、映画館、劇場、コンサートホールに美術館、何でもそろっている都会は魅力的です。食事をするレストランだって今までの郊外住まいとは段違いに豊富です。こんなわけで、特にここ10年くらいの間に多くのシニア層が都心のマンションを購入するようになりました。私の周りでも同じような行動をされた方は多くいらっしゃいます。メディアなどでも、こうしたアクティブシニアが今後のマンション需要を形成し、支えていくと唱えるところが多いのは、こうした現象の裏付けからだと思われます。

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