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「少子高齢化」という現象

2019年4月11日「木曜日」更新の日記

2019-04-11の日記のIMAGE
昔、私は小学生のとき、日本の人口は1億人と習いました。1億人というその数字は何やら誇らしい数字であり、日本国中が明日の社会の発展を夢見た時代でもありました。私たち小学生が描く絵は必ず、東海道新幹線「ひかり」号が走り、町には多くの町工場がひしめき合い、海沿いにはいかめしい石油化学コンビナートがもくもくと黒煙をあげて立ち並ぶ。こんな絵を小学生の私たちは日本の国の発展の象徴として喜んで描いていたのです。1970年には大阪で万国博覧会があり、日本国民の多くがこの万博をひと目見ようと集結するので、大阪は大変なにぎわいになりました。私のうちは、大阪に親戚もなく、両親ともに忙しかったために、ついに万博に連れて行ってもらえず、クラスの仲間の話題にも入れずに寂しい想いをしたものでした。やがて中学、高校と進学するにつれ日本の人口は約1億2000万人と習い、その後、現在の人口は約1億2800万人でその数はほとんど変動していません。この間、世界各国の人口はどうなったのでしょうか。中国やインドで人口が爆発的に伸びたことはよく知られたことです。しかし、意外と知られていませんが、アメリカもこの問人口はずいぶん増えています。1990年との比較で言えば、その増加率は中国の伸びをしのぐ27%もの大幅増です。イギリスでさえ、8%の伸びです。2000年との比較でも、日本はこの間の人口の伸び率はわずか0.3%ですが、アメリカは7.7%、イギリスでも5.6%もの伸びを示しています。もうひとつ別のデータがあります。日本人の平均寿命です。長生きするのは決して悪いことではありません。日本は今でも世界で有数の長寿国で、2009年においては男女あわせて83歳と世界一の座を占めています。しかし、人口が停滞して、国民の寿命が伸びる。これが何をもたらすかと言えばメディアがよく話題にする「少子高齢化」という現象です。つまり、日本はだんだん高齢者が増えて、社会の活力が失われていくということを指しています。でもどんなに医療技術が高度になり、日本人の平均寿命が伸びていっても人間には必ず「死」が訪れます。高齢者が増えるということはすなわち、亡くなる方も今後増えていかざるを得ないわけです。

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