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礼金という名目で支払わされる

2019年4月23日「火曜日」更新の日記

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結婚後も両親の家で暮らしていたのですが、子どもが成長して手狭になったので、部屋数のある一戸建ての借家に住み替えることにしました。家賃は月額10万円と手ごろです。しかし、不動産業者の話では、契約時には権利金として家賃の2ヵ月分、敷金として家賃の2ヵ月分、さらに礼金として家賃1ヵ月分が必要だとのことです。敷金はあとで返してくれるそうですが、どうしてこのようなものを支払わされるのか、釈然としません。権利金といっても内容はいろいろ土地や家などを借りるときは、たしかにいろいろな名目でお金を取られます。敷金は今後お話ししますので、ここでは権利金と礼金について説明することにしましょう。権利金は、商慣習としてあるもので、法律用語ではありません。一口に権利金といっても、次のようにさまざまな内容のものがあります。1.場所的な利益の対価としての権利金立地条件のいい土地や建物・部屋などを貸してもらうことの対価。たとえば、営業や商売に向いているとか、住環境がいいとかいう場所柄によるメリットに対して支払うものです。2.賃料の前払いとしての権利金土地や建物などにかけた資金を回収する必要があるものの、賃料として取りにくい場合、権利金の名目で一括前払いさせるものです。3.譲渡権利の対価としての権利金賃借権を自由に譲渡する権利の対価。「譲渡権利つき権利金」と呼ばれる特殊なものです。権利金の額も、その内容、貸し主の経済力によってちがってきますが、要は当事者同士の話し合いで自由に決める性質のものです。・原則として戻らない権利金は敷金とちがい、原則として返還しなくていいことになっています。ただし、権利金を返還するという特約は有効です。こういう特約を交わした場合は、無条件で返してもらえることになります。途中で解約したら戻る契約を途中で解除したときは、話は別です。前述1は解約の理由(責任)が貸し主にあったときでないと戻りませんが、2は理由とは関係なく、残った期間に相当する分は返還するよう要求することができるのです。なお、3は自由に賃借する権利を買ってしまったのですから、どんな場合も権利金は戻りません。適当な人に権利を売って回収することはできます。礼金は権利金の一種礼金とは、前述1の別名です。つまり、場所的利益に対する対価は、権利金という名目で支払わされる場合と、礼金という名目で支払わされる場合とがあるのです。

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