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厳しい「事業制限」

2019年5月13日「月曜日」更新の日記

2019-05-13の日記のIMAGE
事業着手の段階に至りますと、土地利用には一層厳しい制限が加えられることとなります。この制限を「事業制限」といい、①土地の形質の変更、②建築物または工作物の建設、③移動の容易でない物件(重量五トン以上のもの)の設置または堆漬は、すべて都道府県知事の許可を受けなければならないこととされています(同法六五条一項)。この事業制限の適用で、所有者の申請した土地利用が不許可となっても損失補償はされません。住宅団地や工業団地等の造成には、広範囲のまとまった土地を必要とします(これを面的開発事業といいます)。しかし、近年、このような広範囲の開発をするのに適した土地が減少していることは、容易に認識しうるところでしょう。また一方、現在の深刻な住宅難等を解消するためには、面的開発事業を行うことが不可欠です。そこで、法は右の開発事業を予定する区域を「市街地開発事業等予定区域」と定めて、その土地利用に法的規制を加えています(同法一二条の二)。市街地開発事業等予定区域には、つぎの六種類の予定区域があります。すなわち、①新住宅市街地開発事業、②工業団地造成事業、③新都市基盤整備事業、④区域の面積が二0ヘクタール以上の一団地の住宅施設、⑤一団地の官公庁施設、⑥流通業務団地、です。この区域では、通常の管理行為、軽易な行為、非常災害のため必要な応急措置として行う行為、都市計画事業の施行として行う行為以外の場合で、土地の形質の変更を行い、または建築物の建築その他工作物の建設を行うには都道府県知事の許可を受けなければならないことになっています(都市計画法五二条の二)。この区域内では土地利用に厳しい制限があるため、土地所有者等に多大の権利制限を及ぼします。そこで都市計画法には、土地所有者等を救済する規定があります。一つは土地の買取請求(同法五二条の四)で、他は損失の補償です(同法五二条の五)。

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