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農地売買についての規制は③

2019年5月25日「土曜日」更新の日記

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農地法三条二項は、許可できない場合を列挙しています。すなわち、その主なものは、①小作地の所有権を小作人以外の者に移転する場合(一号)、②買主が対象土地の全部について耕作等を行わない場合や常時耕作に従事しない場合(二、四号)、③取得面積が一定未満の場合(五号)、④住所地と取得地の距離等から土地の効率的利用ができない場合(八号)、⑤法人が取得する場合で、農業生産法人以外が取得する場合(二号の2)、などです。許可できない場合を除いて、所有権の移転等、権利変動を許可することとなるのですが、この許可すべき場合でも、農地法全体の趣旨に照らし、裁量によって、不許可とされる場合もあります。つぎに、農地法五条は、農地の転用目的の権利移動について、都道府県知事の許可が必要である旨を定めておりますが、例外的に、許可を必要としないものがあります(同法五条一項但書各号)。たとえば、①権利収得者が国または都道府県である場合(一号)、②土地収用法による収用の場合(二号)、③都市計画法による市街化区域内の農地で、農業委員会に届出をしたもの(三号)、④その他農地法施行規則七条に定める場合です。この例外の場合を除いては、許可がなければその移転は効力を生じないこととなります。ここでは、許可の基準が問題となりますが、これには二つの通達により運用が図られています。まず、市街化区域と市街化調整区域についてですが、市街化区域については許可を要せず、農業委員会への届出のみでよいことは、すでに述べた通りです。市街化調整区域については「市街化調整区域における農地転用許可基準について」とする通達により、その農地の地域、性質等によって、甲種、乙種の農地を区分し、かつ乙種の中を第一種ないし第三種農地までの三段階に区分します。これは、前者から後者に向かうに従って、許可の可能性が高く(農地としての重要性が低いともいえます)なります。また、例外の農地に関しては、「農地転用許可基準の制定について」とする通達により、第一種ないし第三種に区分し、後者に行くに従い、許可の可能性が高くなります。なお、以上述べてきました農地の各区分は、常に第一種農地等の区分に決定されているわけではなく、これは転用許可の申請があったたびごとに、そのつど判断されるわけですから注意が必要です。

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