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マンションの規約はどんな効力を持っているか

2019年5月28日「火曜日」更新の日記

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分譲マンションを買うことにしましたが、分譲業者は、マンション売買契約書のほかに、・・マンション規約という書面にも、署名捺印してくれといってきました。このマンション規約とはどんなものなのでしょうか。マンションは、アパートと同じように一棟の建物に多数の人が居住することになりますし、各居住者の共用となる部分もかなりあるといったことから、その建物の管理または使用に関する事項について、各区分所有者(マンションの所有者)相互間で、なんらかの決まりが必要となることはいうまでもないことでしょう。これら区分所有者相互間の関係を規律する法律として、「建物の区分所有等に関する法律」かおりますが、この法律は全文七〇条の短いものであり、またいろいろのケースのある区分所有者間の関係のすべてを、法律で決めるといったことも適当ではありません。こんなことから、「建物の区分所有等に関する法律」の三〇条で認められたのが、ご質問の規約です。この規約では、建物またはその敷地もしくは付属施設の管理、または使用に関する区分所有者相互間の事項を決めることができます。もっとも、こんなことはなにも法律の根拠がなくとも、各自で話し合えばよいことではありますが、しかしながら単に各自で話し合って決めたことは、話し合った人の間だけで効力を持つにすぎません。つまり話合いをしたAさんが、マンションをBさんに売って他に転出してしまいますと、Aさんとの間で決めたことを、Bさんにも守らせるということは、Bさんの承諾がないかぎりできないのです。そこでBさんが、どうしても承知しないとなったら、せっかくの話合いによる決まりも有名無実となります。こんなことにならないようにと、法律で認められたのがこの規約で、この法律によって決められたとおりの規約を作っておけば、区分所有者の特定承継人(前述のBさん)にもその効力が生じ、Bさんは、自分が全然関係していないにもかかわらず、規約で定められたことは守らなければいけなくなるのです。こんなわけで、この規約は、土地を買う場合に登記簿を調べたり、通路はどうなってるかを確認したりするのと同じように、マンションを買う場合には、十分に調査、検討しなければいけないものなのです。たとえば、規約で管理費が決められていれば、前述のBさんは、これがいかに高いと思っても支払わなければならなくなりますし、規約でマンションの用途を住居のみと決めてあれば、そこを事務所として使いたい人には売れないといったように、あなたが、これを他に売却する場合の値段にも大きくひびいてくるといったことも考えられるのです。この規約は、民間の分譲業者の場合には、その業者側が作成したものを使用するものがほとんどです。この業者側の作成したもののなかには、建物の管理は業者が行い、しかも、その管理形態があくまで業者側の利益を図るのを主目的としているものもありますので、注意が肝要です。

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