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同族会社に賃貸するとき

2019年6月7日「金曜日」更新の日記

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代表者が所有する土地に会社で建物を建築するときは、ともすると地代の支払いなどいい加減になりがちです。土地の貸借に関して法律上のトラブルが起きることはないでしょうが、税務に関しては、気をつけないといけないことがいくつかあります。赤の他人に土地を貸すときは、定期借地権のときを除いて、その土地の価格の五〇%以上の権利金を取ることが多くなっています。しかし、同族間であれば権利金の授受などなく賃貸することができます。権利金の授受があると、受け取った土地所有者は不動産所得か譲渡所得として課税されることになるので、なおさらそうなるでしょう。ところで、権利金の授受は行なわない場合、そのかわりに地代を高く設定しなければなりません。その地代のことを相当の地代といい、年額では土地の相続税評価額の六%に決められています。もし、相当の地代をとらないと権利金を受け取ったものとして認定されることになるのです。最初に権利金を取らないときは、相続税評価額の年六%の地代をとるのが原則ですが、土地所有者が個人で借地する側か法人であれば、実は地代の額はどのようにしても税務上なんら問題にはならないのです。もちろん最初に権利金を授受する必要もありません。ただし、この場合は、土地所有者と法人は連名で「土地の無償返還に関する届出書」を税務署に提出することが条件になってます。なお、土地所有者が法人の場合は、相当の地代をとらなかった場合でも、とったものとして収入に計上することになるので注意しなければなりません。以上は、普通借地権を前提として述べてきましたが、定期借地権であっても、基本的には同様の扱いになります。したがって、通常授受される一時金と地代を払えばもちろん税務上の特別な取扱いはありません。仮に通常授受される一時金を取らなかったときは、地代を高くとることが必要になるのです。ただし、定期借地権では一般の取引でも授受される一時金の額は、それほど多額にはなりません。したがって、相当の地代についてもまだ決まっていませんが、年六%以下になるものと思われます。

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