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解約申入れ後に正当事由の追加は許されるか

2019年9月10日「火曜日」更新の日記

2019-09-10の日記のIMAGE
正当事由は六か月間の存在が必要解約の申入れは、六か月前にこれをしなければなりません(借家法三条、借地借家法二六条)
この意味は、解約の申入れは、六か月の経過によって効力を生ずるということです(最高裁・昭和二五・二・一四判決、最民四・二・二九)
そこで正当事由による解約が有効であるためには、どのような時期にそれが存在すればよいかが問題になります
この点について、つぎのような学説があります
①解約申入れの時期から六か月継続して存在すること
したがって、右期間後に生じた事情は、正当事由の存否の判断材料にはならない
②解約申入時から事実審(控訴審)の口頭弁論終結時まで、正当事由が存在しなければならない
③正当事由が解約申入れのときになくても、口頭弁論終結時までに具備されればよく、口頭弁論終結時に正当事由が具備したときは、それから六か月後に賃貸借は終了する
判例は一貫して①の立場をとっていますが、多くの学説は反対して、口頭弁論終結まで正当事由が存続する必要があるといっています
しかし、借家法一条ノーが設けられた沿革を考えると、正当事由は、解約申入れから六か月間存続すれば十分だという①の場合が妥当だといえるでしょう

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