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ビル内の立体式屋内駐車場に借家法(借地借家法)の適用は

2019年9月22日「日曜日」更新の日記

2019-09-22の日記のIMAGE
Q当社所有ビルの一部は、一階から八階まで立体式駐車場になっています
これを管理室を含めて五年前にA社に賃貸してきましたが、更新に際し、賃料その他でモメるので、今回期間満了を理由に明渡しを求めたところ、借家法にいう建物の賃貸借だから法定更新されたとか、正当な理由がない、などと争ってきました
営業用ビルの一部の駐車場契約にも借家法が適用されるものてしようか
▼ポイントは建物の賃貸借か否か居住用借家と営業用(非居住用)借家とを区別して規制することは、借家法改正の主要な論点の一つになっていましたが、結局のところ、改正実現までには、至りませんでしたので、これからも従前同様、営業用建物の賃貸借にも借家法、借地借家法が適用され、特別な扱いは法律上はありません
期間の定めのある借家については、家主が期間満了前六か月から一年の間に更新拒絶(または条件変更)の通知をし、かつ、期間満了後の借家の使用収益の継続に異議を述べないかぎり、同じ条件で契約が更新されたものとゑなされてしまいます(借家法二条、借地借家法二六条)
さて、A社が、契約は法定更新されたと主張するのは、貴社から正式な更新拒絶の通知、ならびに使用継続に対する異議申述がなされなかったものと推測されます
しかし、ご質問の場合は、立体駐車場部分の賃貸借が、借家法(五年前に賃貸したので借家法が問題になる)の「建物の賃貸借」にあたるか否かが最大のポイントです
高騰する土地と氾濫する自動車の現代都市生活では、地べたに車を置く状態では効率よい活動が制約されます
人が高層ビルで生活するように、車も高所空間に停車せざるをえなくなっているのが現状です
ビルが立体駐車場設備をその一部に組み込むのも、その必要と需要があるからです
立体化すると、必然的に、駐車場設備、機械を覆い、収容する構築物、構造が必要となり、ビルの一部であっても、それ以外の部分と区画され、独占的、排他的支配が可能となります
一般には、独立、排他的支配の可能性があれば、建物の一部の賃貸借であっても借家法の適用がある、と解されていますから、そういう見方からするならば、ビルの一部の立体駐車場の賃貸借も、建物の賃貸借といえそうに思われます

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