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収益価格の例

2019年10月20日「日曜日」更新の日記

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たとえば,通常の取引価格(比準価格)が1億円の土地を1億円で取得し,貸ビルを建設し,土地に帰属する純収益が500万円で,投資利回りを5%と期待すれば,投資価格(収益価格)は1億円となり、取引価格と一致する。上記の計算は,家賃や地価の変動がないものとして説明している。しかし、家賃と地価とは,上昇することもあれば下落することもある。したがって,将来の変動を予測して織り込んで計算することになる。たとえば、好況期にあって,家賃と地価とが上昇すると予測され,現実の毎年の変動率は一定ではないが,これでは計算が複雑になりすぎるので,これをならして上昇率を年1%と考えれば、期待利回り5%から1%を引いた4%で還元すればよいことになり、土地の純収益が500万円であれば,投資価格は1億2,500万円となる。逆に、不況期にあって,家賃と地価とが下落傾向にあると予測されるときは、その下落率や危険率を考慮して,年2%の下落率と見れば,期待利回りに2%を加えた7%で還元することとなり,投資価格は約7,143万円となる。なお,地価上昇期の場合,取引価格は市場の強気を反映して,投資価格を上回ることが多く,地価下落期には反対に投資価格を下回ることも多い。上記の取引価格・投資価格と比準価格・収益価格とは、厳密な意味では同じではないが,ここではとりあえずほぼ同様のものと考えて,両者の関係を理解してもらいたい。なお,期待利回りに相当するものを,鑑定評価では基本利率といっており,これに変動率を加味したものを還元利回りといっている。

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